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リヒャルト・シュトラウス:オペラ全集(33CD)
ドイツ・グラモフォンとデッカの有名音源を中心とした豪華な構成
シュトラウス・イヤーということですでにオペラのコレクションが他社からもリリースされていますが、今回は本格的なオペラ全集の登場です。
収録音源は、ドイツ・グラモフォンとデッカ制作によるものを中心に、ライヴ録音のほか、SONYやEMIの音源も使用、ベーム、ショルティ、シノーポリ、カイルベルト、サヴァリッシュ、ドラティほか、有名演奏を多数収録。
なお、ラインスドルフ指揮による『火の災い』の演奏会形式ライヴ録音は、正規音源による世界初発売の音源としても注目されます。
また、セットの最後に収録されたジェシー・ノーマンの歌う歌曲アルバムでは、オーケストラ伴奏によるシュトラウス歌曲の醍醐味を味わうことができます。
参考までにかつてのジャケット画像を表示しておきます。(HMV)
【収録情報】
Disc1-2
『アラベラ』全曲
昔から有名なカイルベルトの『アラベラ』。ミュンヘンのナショナルテアター再建記念公演のライヴとあって、骨太なカイルベルトの音楽作りに豊かな感興が加わった演奏は、記念公演ならでは名演と以前から評価の高かったものです。キャストも「最高のアラベラ」と評されたデラ・カーザの可憐であでやかな名唱をはじめ、フィッシャー=ディースカウ、ローテンベルガー、マラウニクと名手が揃って充実しています。
リーザ・デラ・カーザ(ソプラノ)
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
アンネリーゼ・ローテンベルガー(ソプラノ)
イーラ・マラウニク(メゾ・ソプラノ)、他
バイエルン国立歌劇場管弦楽団&合唱団
ヨゼフ・カイルベルト(指揮)
録音:1963年ライヴ(ステレオ)
Disc3-4
『ナクソス島のアリアドネ』全曲
オペラ制作過程のドタバタと、出来上がったオペラを劇中劇で再現するという二重構造を持つユニークな作品。「小編成オーケストラの伴奏と、大人数のキャストによる劇中劇を含むオペラ」という特殊な条件のこの作品には、リズムにも歌い回しにも明確なアプローチが不可欠。オッター、ヴォイト、デセイ、ヘップナーと2000年当時に考えられた最高のキャストと、オペラ演奏の実力の高さでも際だった存在であるシュターツカペレ・ドレスデンの表現力を堪能できる名録音により、劇中劇という多重世界を、メリハリの効いた演奏で描きわけています。2001年に急死したシノーポリの最後のセッション録音。
デボラ・ヴォイト(ソプラノ)
アンネ・ゾフィー・フォン・オッター(メゾ・ソプラノ)
ナタリー・デセイ(ソプラノ)
ベン・ヘップナー(テノール)、他,
シュターツカペレ・ドレスデン
ジュセッペ・シノーポリ(指揮)
録音:2000年(ステレオ)
Disc5-6
『カプリッチョ』全曲
単独でもよく演奏される、美しい“伯爵令嬢のモノローグ”と、“月の光の音楽”で知られる名作。詩と音楽についての論争を背景に、あくまで知的に構築される室内劇の魅力はシュトラウスならではのものであり、歌曲や室内楽への接近が、オペラ芸術の奥深さを実感させないではおきません。
当アルバムの演奏は、澄み切った高音が素晴らしいヤノヴィッツに、フィッシャー=ディースカウ、シュライアー、プライという性格表現に長けた名歌手を起用したもので、ベーム指揮するバイエルン放送響の充実したサウンドと共に、シュトラウス晩年の美しい音楽を堪能させてます。
グンドゥラ・ヤノヴィッツ(ソプラノ)
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
ペーター・シュライアー(テノール)
ヘルマン・プライ(バリトン)、他
バイエルン放送交響楽団&合唱団
カール・ベーム(指揮)
録音:1971年(ステレオ)
Disc7-8
『ダフネ』全曲
シュトラウスが晩年にヨーゼフ・グレゴールの台本により作曲した『ダフネ』は、古代ギリシャを舞台に、ダフネを巡るアポロとロイキッポスの恋の争いを描いた内容で、ロイキッポスを殺したアポロはそのおこないを悔いてダフネを月桂樹にしてしまうという筋書き。テノール二人によるアポロとロイキッポスのバトルはここではジェイムズ・キングとヴンダーリヒというすごい声で歌われており、実演の興奮がよく伝わる音質も当時のライヴとしては非常に優秀。ダフネ役のギューデンも役柄に合う歌唱で、初演者でもあるベームの指揮も隙の無い見事なものです。
ヒルデ・ギューデン(ソプラノ)
フリッツ・ヴンダーリヒ(テノール)
ジェイムズ・キング(テノール)、他
ヴェラ・リトル(メゾ・ソプラノ)
ウィーン交響楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団
カール・ベーム(指揮)
録音:1964年 アン・デア・ウィーン劇場でのライヴ(ステレオ)
Disc9-10
『エレクトラ』全曲
ギリシャの詩人ソフォクレスの原作を、ホフマンスタールと40代なかばのシュトラウスが壮絶な復讐オペラに仕立てた『エレクトラ』の最も激しい演奏がこれ。不幸な身の上ゆえに尋常ではない存在となったエレクトラ役を人間離れした声で鋭利に歌い上げるニルソンの歌唱は圧巻で、これにショルティに煽られたウィーン・フィルの強烈なサウンドが同調することで、ほとんど凄惨な儀式のような凄みを放つ演奏に仕上がっています。あまりの激しさに聴き疲れするほどですが、この迫力はたまりません。凄絶な響きを完璧に捉えたゾフィエンザールでのセッション録音も非常に完成度が高く、カルショー自慢の「ソニック・ステージ」の臨場感が圧倒的な迫力で示されています。
ビルギット・ニルソン(ソプラノ)
レジーナ・レズニック(メゾ・ソプラノ)
マリー・コリアー(ソプラノ)
ゲルハルト・シュトルツェ(テノール)
トム・クラウセ(バリトン)、他
ウィーン国立歌劇場合唱団
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
サー・ゲオルグ・ショルティ(指揮)
録音:1966〜1967年
音源:DECCA
Disc11-12
『火の災い』全曲
シュトラウス若き日のオペラ『火の災い』は『サロメ』で成功する4年前、『英雄の生涯』の3年後の作品で、すでにコンサート・レパートリーでは名声を確立していたシュトラウスが、最初のオペラ『グントラム』の失敗から9年を経て取り組んだ力作。
内容は魔法使いと町の人の争いを描いたもので、怒った魔法使いによって町中から火という火が消えてしまったという筋書きゆえに、フォイアースノート、炎の災い、火の欠乏、火の危機などと訳されています。
初期の作品ということで録音も少ないのですが、今回登場する演奏は、正規音源からの初CD化となるラインスドルフ指揮による演奏会形式ライヴ録音というもので、ジョン・シャーリー=カークやグンドゥラ・ヤノヴィッツなど配役も豪華です。
ジョン・シャーリー=カーク(バリトン)
グンドゥラ・ヤノヴィッツ(ソプラノ)
キャロル・マローン(ソプラノ)
バルバラ・シェーラー(メゾ・ソプラノ)、他
テルツ少年合唱団
RIAS室内合唱団
ベルリン放送交響楽団
エーリヒ・ラインスドルフ(指揮)
録音:1978年5月 ベルリン、フィルハーモニーでのライヴ(ステレオ)
Disc13-15
『影のない女』全曲
『バラの騎士』が『フィガロの結婚』に範をとったと言われるのと同じく、『影のない女』は、モーツァルトの『魔笛』から多大な影響を受けたとされています。
それはたとえば『魔笛』と同じく現実離れしたメルヘンの世界を題材としていることや、「象徴」の手法が多用されている点にもみてとれますが、このオペラは、ホーフマンスタールの台本が力作ということもあって(彼は1915年に完成された台本版のほか、4年後には小説版まで書きあげ、作品への深い愛着を示しています)、より複雑で繊細な味わいに富みながらも、全体のスケールは大きなものとなっているのが特徴。
作曲時期は1914年から1917年、第一次世界大戦中ということもあってか、この作品に集中的に取り組むことが出来たようで、ホーフマンスタールとの数多い書簡のやりとりからもそのことはよく伝わってきます。
数多い登場人物の描き分けの巧みさ、オーケストレーションのみごとさもシュトラウスの絶頂期を示すものと言え、その作曲技法の熟達ぶりは、ホーフマンスタールとの一連の共同作業から生まれた傑作群(『エレクトラ』『バラの騎士』『ナクソス島のアリアドネ』『影のない女』『エジプトのヘレナ』『アラベラ』の6作品)の中にあっても最高クラスの水準を示すものとなっています。
舞台設定は、架空の時代の東方のある国というもので、体裁はおとぎ話スタイル。カルロ・ゴッツィの諸作やゲーテのほか、世界各地の民話や伝説、『千夜一夜物語』などに取材しています。
台本作者のホーフマンスタール自身が述べているように、モーツァルトの『魔笛』を意識して書かれたため、ウィーンの民衆劇が定型としていた「皇帝&皇后」のペアに対し、コメディア・デラルテのペアが置かれる予定でしたが、実際にはそれはアラビアの影響を感じさせるキャラクターでもある「染物師バラク夫妻」に変更され、猥雑さや滑稽さよりも家族愛・人類愛の表現にシフトしたものとなっています(本来のコメディア・デラルテのペアが持っていた騒々しさが無くなったわけではなく、その役割はここでは、バラクの兄弟たちによって実現されています)。
このオペラの数多い登場人物中で、唯一名前があるのがこのバラクというのも何やら象徴的ですが(カイコバートは実際には登場しませんので)、これに女性版メフィストフェレスともいうべき魔法使いの「乳母」が絡んで、女性版ファウストのような「皇后」と「バラクの妻」の価値観の変質を描いて行きます。
ショルティ指揮する大編成のウィーン・フィルは、作品の膨大な情報を完璧に再現、オーケストラだけの部分では、まるで後期ロマン派の交響作品のような雄弁な音響世界を展開。キャストも豪華で、ベーレンスとダムの染め物師夫妻に、ヴァラディとドミンゴの皇帝と皇后、乳母役のルンケルなど、正確な歌唱をおこなえる歌手陣により、手の込んだ作品が緻密に仕上げられた重量感のある味わい、シャープな描写が実に魅力的です。
ユリア・ヴァラディ(ソプラノ)
ヒルデガルト・ベーレンス(ソプラノ)
ラインヒルト・ルンケル(メゾ・ソプラノ)
プラシド・ドミンゴ(テノール)
アルベルト・ドーメン(バリトン)
ヨセ・ヴァン・ダム(バリトン)、他
ウィーン国立歌劇場合唱団
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
サー・ゲオルグ・ショルティ(指揮)
録音:1989〜1991年(ステレオ)
音源:DECCA
Disc16-17
『無口な女』全曲
ヒルデ・ギューデン、ハンス・ホッター、フリッツ・ヴンダーリヒ、ヘルマン・プライという素晴らしいキャストによるベームの名演が復活。作曲者から信頼され、この作品の初演もおこなっていたベームによる指揮は万全で、ザルツブルク音楽祭ならではの豪華な歌手陣を無理なく歌わせて美点を引き出し、作品の魅力を高めたと評判の名演でもあります。
『無口な女』は、人気作『アラベラ』の直後に書かれた1幕もののオペラ。原作は英国の詩人で諷刺喜劇作家、ベン・ジョンソン[1572-1637]の『無口な女』で、それをオーストリアの作家シュテファン・ツヴァイク[1881-1942]が翻案した台本を使用。
シュトラウスお得意のコミカルな描写がおもしろい作品で、理想の女性は“優しく無口な女”という保守的で頑固なモロズス卿を、ハンス・ホッターが熱演、甥のヘンリーは美声リリック・テノールのヴンダーリヒが演じ、その妻で“うるさい女”であるオペラ歌手アミンタには、ウィーンの人気歌手ギューデンが配されるという充実したキャスト。
録音は1959年のライヴということで、残念ながらモノラルではありますが、当時としては比較的聴きやすい水準にあり、歴史的名演を味わうことは十分に可能です。
ハンス・ホッター(バス・バリトン)
フリッツ・ヴンダーリヒ(テノール)
ヒルデ・ギューデン(ソプラノ)
ヘルマン・プライ(バリトン)、他
ウィーン国立歌劇場合唱団
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
カール・ベーム(指揮)
録音:1959年8月 ザルツブルク音楽祭でのライヴ(モノラル)
Disc18
『平和の日』全曲
ナチ政権下で書かれたシュトラウス晩年のオペラ。17世紀ドイツの大量殺戮「30年戦争」における人々の様子とヴェストファリア条約を題材とした作品。親交のあったユダヤ系作家シュテファン・ツヴァイクと書き始めますが、ツヴァイクが亡命したためヨーゼフ・グレゴールと完成させ第2次世界対戦直前に初演されています。
一幕の短い作品ですが、オーケストレーションも歌にも迫力があり、シノーポリならではの求心力で、人々の争いと平和への希求を力強く描いています。歌手も豪華。
アルベルト・ドーメン(バス)
デボラ・ヴォイト(ソプラノ)
アルフレート・ライター(バス)
ヨハン・ボータ(テノール)、他
シュターツカペレ・ドレスデン
ジュセッペ・シノーポリ(指揮)
録音:1999年(ステレオ)
Disc19-20
『グントラム』全曲
交響詩『死と変容』から3年、自身の台本でオペラの世界に挑戦するものの初演は失敗に終わったシュトラウス若き日の作品。随所にシュトラウスの管弦楽曲を思わせる旋律が聴こえるなどシュトラウス・ファンには注目度の高い音楽です。
ライナー・ゴルトベルク(テノール)
イローナ・トコディ(ソプラノ)
シャーンドル・ショーヨム=ナジ(バリトン)
イシュトヴァーン・ガーティ(バリトン)、他
ハンガリー国立管弦楽団
イヴ・ケラー(指揮)
録音:1984年(ステレオ)
音源:SONY
Disc21-22
『エジプトのヘレナ』全曲
『ばらの騎士』の2年後に書かれたこの作品は、『サロメ』『エレクトラ』『影のない女』路線の迫力ある音楽と、夫婦の関係というシュトラウス的な題材を、ホーフマンスタールがギリシャ神話の世界を借りて表現した台本により、独自の魅力を感じさせる傑作です。親しみやすい美しさをふんだんに備えたシュトラウスの旋律と、ゴージャスで熟達したオーケストレーションは聴き応え十分。このヘレナ役を得意にしていたジョーンズの見事な歌唱とドラティの端正な音楽づくりにより、作品理解に最適な演奏に仕上がっています。なお、ドラティはここで、初演が失敗に終わった
第1稿ではなく、6年後、『アラベラ』を経て大幅に改訂された第2稿を使用して、レコーディング・セッションに臨んでいます。
ギネス・ジョーンズ(ソプラノ)
バーバラ・ヘンドリックス(ソプラノ)
ダイナ・ブライアント(ソプラノ)
ビルギット・フィニラ(アルト)、他
デトロイト交響楽団
アンタル・ドラティ(指揮)
録音:1979年(ステレオ)
音源:DECCA
Disc23-24
『インテルメッツォ』全曲
『影のない女』と『ばらの騎士』のあいだに書かれた円熟期の作品。台本はシュトラウス自身で、聴き応えあるオーケストラ・ナンバーを交えて、お得意の夫婦の争いと仲直りを題材にドタバタな雰囲気で楽しませます。
演奏は賑やかな妻をルチア・ポップがなんとも可愛らしく歌い、穏やかだが最後は怒る夫をフィッシャー=ディースカウがリアルに演じたもので、サヴァリッシュ指揮バイエルン放送交響楽団の充実したオケ・パートも聴きものとなっています。
ルチア・ポップ(ソプラノ)
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
クルト・モル(バス)、他
バイエルン放送交響楽団
ヴォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)
録音:1980年(ステレオ)
音源:EMI
Disc25-27
『ダナエの愛』全曲
ヨーゼフ・グレゴールの台本によるシュトラウス晩年の作品で、1940年に作曲していますが、ナチスの妨害により上演が許可されず、初演は戦後7年を経た1952年のザルツブルク音楽祭でのことで、それがこのCDで聴ける演奏です。クレメンス・クラウス指揮によるこのライヴ音源は、1992年にオルフェオ・ドール・レーベルから発売されですでに有名なものでもあります、今回はDGからのリリースということで、リマスターに傾向の違いがあるかもしれないのが注目されるところでもあります。ダナエ役のアンネリース・クッパーは、当時オペラに宗教音楽に大活躍したソプラノで、このギリシャ神話題材のオペラでも絶世の美女役を魅力的な声で歌い上げています。
アンネリース・クッパー(ソプラノ)
モーリーン・シュプリンガー(ソプラノ)
ヨゼフ・トラクセル(テノール)
ラースロ・セメレ(テノール)
ヨゼフ・ゴスティック(テノール)
パウル・シェフラー(バリトン)、他
ウィーン国立歌劇場合唱団
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
クレメンス・クラウス(指揮)
録音:1952年8月 ザルツブルク音楽祭でのライヴ(モノラル)
Disc28-30
『ばらの騎士』全曲
作曲者から直接教えを受けたショルティの『ばらの騎士』は、どこまでも律儀に正確に楽譜に向き合いながらも、歌手の個性はきちんと引き出しているというグレードの高い演奏です。 主役のクレスパンはインタビューで下ネタ発言するなど自由な人ですが、ここではそうした艶やかさが役作りにも迫真の説得力を与えており、少々屈折した世界と見れなくもない作品の人工的性格に、ある種の真実味を与える説得力も持ち合わせています。
ミントンのオクタヴィアン、ドナートのゾフィーのクセの無さがそうしたクレスパン効果をより引き立てることにもつながっており、さらにゼンガー役のパヴァロッティの豪華な歌声というどこか絵空事的な雰囲気も手伝って、独特の味わいを醸し出すこととなった見事な演奏です。
レジーヌ・クレスパン(ソプラノ)
イヴォンヌ・ミントン(メゾ・ソプラノ)
ヘレン・ドナート(ソプラノ)
マンフレート・ユングヴィルト(バス)、他
ウィーン国立歌劇場合唱団
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
サー・ゲオルグ・ショルティ(指揮)
録音:1968年(ステレオ)
音源:DECCA
Disc31-32
『サロメ』全曲
シュトラウス・オペラ最初の成功作で現在も高い人気をもつのがこの『サロメ』。明快な起伏をもつ筋立てと心理描写、雄弁をきわめた管弦楽に、ドラマティックでありながら叙情的な要素も強いサロメ役、神秘的なヨカナーン役に人を得ると感銘深い音楽となりますが、ここでは幕切れの超高音mかで美しい全盛期シェリル・ステューダーと、野太く思慮深そうなブリン・ターフェルの予言者ぶりがハマっています。シノーポリの指揮はダイナミックで起伏が大きい一方、弱音部での精妙な表現にも長けており、作品の魅力を細部まで味わうことが可能です。
シェリル・ステューダー(ソプラノ)
レオニー・リザネク(メゾ・ソプラノ)
ホルスト・ヒースターマン(テノール)
ブリン・ターフェル(バリトン)
クレメンス・ビーバー(テノール)、他
ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団
ジュゼッペ・シノーポリ(指揮)
録音:1990年(ステレオ)
Disc33
歌曲集
『4つの最後の歌』は、発売時ヨーロッパでベストセラーとなったもので、ノーマンの豊穣な美声が聴き手を包み込みます。第3曲“眠りにつくとき”では、中間部のヴァイオリン独奏終了後に途方もないスケールを感じさせる歌唱を展開。このくらい終曲にスムーズにつながる演奏もありません。
・4つの最後の歌
・ツェツィーリエ
・明日の朝
・子守歌
・憩え、我が魂
・我が子に
・献呈
ジェシー・ノーマン(ソプラノ)
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
クルト・マズア(指揮)
録音:1982年(ステレオ)
音源:PHILIPS