シュトラウス、リヒャルト(1864-1949)

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『影のない女』全曲 市川猿之助演出、サヴァリッシュ&バイエルン国立歌劇場、デヴォル、リポヴシェク、他 (1992 ステレオ)(2DVD)(日本語字幕付)

シュトラウス、リヒャルト(1864-1949)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
COBO4889
組み枚数
:
2
レーベル
:
:
日本
画面サイズ
:
通常
:
カラー
フォーマット
:
DVD

商品説明

リヒャルト・シュトラウス:歌劇『影のない女』
バイエルン国立歌劇場日本公演1992年 日本語字幕付き


1992年バイエルン国立歌劇場来日時の貴重な映像。
猿之助の技により東西の芸術が見事に融合し、
シュトラウスの幻想的な世界が実現した、圧倒的な舞台!

あまりに幻想的な内容と、実演上の要求も多いことから上演機会が少なく、リヒャルト・シュトラウス幻のオペラとも言われる『影のない女』。本映像は、1992年のバイエルン国立歌劇場来日公演にして、愛知県芸術劇場のこけら落としともなった舞台を、NHK初期ハイビジョン収録による高画質映像で収めたもの。
 サヴァリッシュの強い意向により来日の演目に加えられたという当プロダクションですが、映像からもその並々ならぬ情熱が伝わってきます。市川猿之助(スーパー歌舞伎)の海外オペラ作品は、東西文化融合の試みとしても声価が高く、この作品は『金鶏』に続く第2弾。
 シュトラウス研究の旗手、広瀬大介氏が手がける日本語字幕・解説を付しての待望の国内盤化となります。

 『バラの騎士』が『フィガロの結婚』に範をとったと言われるのと同じく、『影のない女』は、やはりモーツァルトの『魔笛』から多大な影響を受けたとされています。
 それはたとえば『魔笛』と同じく現実離れしたメルヘンの世界を題材としていることや、「象徴」の手法が多用されている点にもみてとれますが、このオペラは、ホーフマンスタールの台本がたいへんな力作ということもあって(彼は1915年に完成された台本版のほか、4年後には小説版まで書きあげ、作品への深い愛着を示しています)、より複雑で繊細な味わいに富みながらも、全体のスケールはきわめて大きなものとなっているのが特徴。
 作曲時期は1914年から1917年、第一次世界大戦中ということもあってか、この作品に集中的に取り組むことが出来たようで、ホーフマンスタールとの数多い書簡のやりとりからもそのことはよく伝わってきます。
 数多い登場人物の描き分けの巧みさ、オーケストレーションのみごとさもまさにシュトラウスの絶頂期を示すものと言え、その作曲技法の熟達ぶりは、ホーフマンスタールとの一連の共同作業から生まれた傑作群(『エレクトラ』『バラの騎士』『ナクソス島のアリアドネ』『影のない女』『エジプトのヘレナ』『アラベラ』の6作品)の中にあってもまさに最高クラスの水準を示すものと言えます。

 舞台設定は、架空の時代の東方のある国、というもので、体裁はまさにおとぎ話。カルロ・ゴッツィの諸作やゲーテのほか、世界各地の民話や伝説、『千夜一夜物語』などに取材しています。
 台本作者のホーフマンスタール自身が述べているように、モーツァルトの『魔笛』を意識して書かれたため、ウィーンの民衆劇が定型としていた「皇帝&皇后」のペアに対し、コメディア・デラルテのペアが置かれる予定でしたが、実際にはそれはアラビアの影響を感じさせるキャラクターでもある「染物師バラク夫妻」に変更され、猥雑さや滑稽さよりも家族愛・人類愛の表現にシフトしたものとなっています。もちろん、本来のコメディア・デラルテのペアが持っていた騒々しさが無くなったわけではなく、その役割はここでは、バラクの兄弟たちによって実現されています。
 このオペラの数多い登場人物中で、唯一名前があるのがこのバラクというのも何やら象徴的ですが(カイコバートは実際には登場しませんので)、これに女性版メフィストフェレスともいうべき魔法使いの「乳母」が絡んで、女性版ファウストのような「皇后」と「バラクの妻」の価値観の変質を描いてゆきます。

【収録情報】
リヒャルト・シュトラウス:歌劇『影のない女』全曲
 皇后:ルアナ・デヴォル
 乳母:マルヤーナ・リポヴシェク
 皇帝:ペーター・ザイフェルト
 染物師バラク:アラン・タイタス
 染物師の妻:ジャニス・マーティン
 使者:ヤン・ヘンドリク・ロータリング、他
 バイエルン国立歌劇場管弦楽団&合唱団
 ヴォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)

 演出:市川猿之助
 装置:朝倉摂
 衣裳:森英恵
 収録時期:1992年
 収録場所:愛知県芸術劇場(ライヴ)

 収録時間:183分
 画面:カラー、4:3
 音声:PCM-STEREO, DTS 5.1
 字幕:日本語、ドイツ語
 NTSC
 Region 2

【ヴォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)】
1923年ミュンヘン生まれ。1947年にアウグスブルクの歌劇場にデビュー。1957年に当時の史上最年少でバイロイトに登場。ウィーン交響楽団、ハンブルク・フィルの首席指揮者、スイス・ロマンド管の芸術監督を務め、1971年にバイエルン国立歌劇場の音楽監督(1982年より音楽総監督)に就任、1992年まで務めた。1993年にフィラデルフィア管の音楽監督に就任、その後フリーで指揮していたが2006年に引退。1964年の初来日以来、毎年のようにN響に客演するなど日本との繋がりも強く、日本リヒャルト・シュトラウス協会名誉会長も務める。

【ルアナ・デヴォル(皇后)】
サンフランシスコ生まれ。1980年代半ばよりヨーロッパの歌劇場に登場し、主にドイツ・オペラのレパートリーで活躍。『オランダ人』のゼンタ、『ジークフリート』のブリュンヒルデ、『タンホイザー』のエリーザベト、『トリスタンとイゾルデ』のイゾルデなど、ワーグナーの諸役を歌っている。2000年にはブリュンヒルデ役で、オペルンヴェルト誌の「最優秀女性歌手」を受賞。

【市川猿之助(演出)】
1939年、市川段四郎(三世)の長男として東京に生まれる。1963年三代目猿之助を襲名。1968年の『義経千本桜・川連法眼館』で宙乗りを復活して人気を集める。歌舞伎古典の継承、復活、新しい歌舞伎の演出方法を試みたり、歌舞伎の技法を取り入れた舞台を創作するなど意欲的な活動を行い、特に1986年に初演された『ヤマトタケル』は「スーパー歌舞伎」という全く新しいジャンルを切り開いた。

内容詳細

バイエルン国立歌劇場の92年の来日時の映像。めったに舞台にかからない「影のない女」を、スーパー歌舞伎の市川猿之助が演出して話題となった舞台だ。サヴァリッシュの指揮、ザイフェルトら歌手陣も充実している。(CDジャーナル データベースより)

ユーザーレビュー

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内容は素晴らしいの一言。ハイビジョン収録...

投稿日:2011/07/24 (日)

内容は素晴らしいの一言。ハイビジョン収録なので、早くブルーレイで発売して欲しい。もったいない。

マラ3マニア さん | 東京都 | 不明

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興味がおありの方は是非手に入れてください...

投稿日:2011/02/12 (土)

興味がおありの方は是非手に入れてください! 多少値ははりますが満足されると思います! 僕は初めての「影のない女」でしたが、よく内容が分かったし とてもこのオペラに魅了されました。感動しました。 とにかく演出が素晴らしいです。 とっても美しくて物語をよく表現しています。 この作品への想いが伝わってきます。 現代にありがちなひけをてらった奇抜な演出ではないです。 これを日本の歌舞伎役者がやったなんて誇りです。 歌手もとても素晴らしいです。それぞれのキャラクターが しっかりしています。特に乳母と帝の歌に惹かれました。 石になった帝を前に后が叫ぶところも鳥肌が立ちました。 僕は買って満足しました!

梅介 さん | 愛知県 | 不明

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これは朗報だ。私は「輸入盤」で見ているの...

投稿日:2010/03/13 (土)

これは朗報だ。私は「輸入盤」で見ているのだが、気鋭のシュトラウス研究家、広瀬氏の対訳、解説とは有り難い(ひどい内容のものも多い中良心的-みなこうあって欲しいものだ)。輸入盤には、伝道師ベームに比べればややとの思いから高水準ながら☆4つとしたが、訳も付き、皆さんにもっとこの素晴らしい作品をみてもらい、この傑作について語り合いたく☆5つに昇格(今年は18年ぶりの日本上演もある-予習にも間に合う筈だ)。筋、内容が難解というが、鷹とか影とかの象徴的意味に深入りしなければ、これは理解しやすい2組の夫婦の成長物語ではないか。終幕皇后がバラク夫妻の犠牲で自分だけが幸福になることを拒み、それにより全てが許され2組の夫婦が歓喜を歌いあげる大詰めは美しくも感動的。大がかりな舞台が必要で、名歌手、大指揮者がそろわないと真価が発揮されないこの曲だが、ベームの尽力で上演リストに残り、ショルティにとっても最高、最愛のシュトラウス作品であった。またニルソン、ルュートヴィヒも人間的成長を歌うバラクの妻の役は非常に素晴らしい体験と語っている。猿之助演出はこのファンタジーへの一つの理解しやすい回答と言ってよいだろう。だがこう書いてくるとやはり原点として伝説のベーム、レンネルトのザルツブルクでの舞台を見たいとの強い思いにかられずにはいられない(77年ウィーンでのトマ演出のものはORFにテープがあるらしいが)。是非発掘の努力をお願いしたい。

千葉のアリアドネ さん | 千葉県 | 不明

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