ゴージャズなエンターティナーの大御所シャーリー・バッシー。パンチの効いたあのダイナミックな歌声は聴けば耳に残る印象的な声です。シャーリーが世界中に名を馳せるきっかけともなったのが、お馴染み００７シリーズの主題歌でしょう。

そのシリーズの中でも最も有名なのが、『ゴールド　フィンガー』でしょう。『ダイヤモンドは永遠に』や　『死ぬのは奴らだ』などの監督のガイ・ハミルトンが、テレンス･ヤングに変わって作ったシリーズ３作目です。タイトル・バックからこのシャーリーのパンチのある歌声が響き渡り、映画全体の雰囲気がのみこまれてしまいそうな程インパクトのある曲でした。たちまちヒット・チャート・ナンバー・ワンとなった有名曲です。

そしてシリーズ第７作目、『ダイヤモンドは永遠に』です。セクシーでダイナミックな歌声とジョン・バリーのスコアは０７シリーズには欠かせません。ダイナミックにドラマティックにそしてエロティックに…と、変幻自在するシャーリーの魅力が存分に出ている曲です。

そしてシリーズ第１１作目の『ムーンレイカー』です。映画自体は舞台が宇宙だったり、悪役のジョーズ（金歯の大男、『私を愛したスパイ』にも出演し人気を呼んだ）がボンドを助けちゃったり、とバカ加減が伝説となっている映画ですが､ここでもダイナミックな太く伸びるシャーリーの声はまた観る人々に大きく印象づけました。バラードあり、ディスコ風アレンジありの楽しめる作品です。

００７シリーズではこの３作の主題歌を歌い、ヒット・チャートに送り込んでいます。そして、この作品で名を馳せるようになり、あらゆるスタンダード・ナンバーを歌い上げ、ヒットを飛ばしています。

そしてこの『ベスト・オヴ・ボンド』という定番のベスト盤です。シャーリー・バッシーの「ゴールド・フィンガー」で聴ける歌声は勿論ですが、このベスト盤ではシャーリー・バッシー以外の007シリーズの主題歌（ポール・マッカートニー＆ザ・ウィングス、ナンシー・シナトラ、カーリー・サイモン他）が一挙に聴けるので、シリーズ作品全部買うには懐が･･･といった方には絶対にオススメです。

そしてもう１枚、『GODLFINGER BEST OF 』というベスト盤です。このベスト盤に収録されているのは勿論代表作ばかりですが、中でも特筆しておきたいのが、ラロ・シフリンがスコアを手掛けた幻のサントラ『殺しのエージェント』のタイトル曲は、シャーリー・バッシーが歌っているのですが、このベスト盤に収録されています。この曲は本当に素晴らしいので、御存知ない方には是非お勧めです。また、「WITH THESE HAND」、「YOU'LL NEVER KNOW」など名曲揃いです。

また東芝ＥＭＩからの音源をまとめたボックス・セットも発売されているので、１枚もののベスト盤では満足いかないという方には、こちらをお勧めします。

また、本作はシャーリーの１９６１年に発売されたアルバムがＣＤ化されたもので、若々しい歌声が聴けます。フランク永井ばりのムード歌謡的な４曲目の「FOR EVERY MAN THERE'S A WOMAN」や、余りにも有名な名曲「I'M IN THE MOOD FOR LOVE」は必聴でしょう。またコンガとストリングスがスリリングな展開をみせるエキゾ・ナンバーの「SO IN LOVE」なども秀逸です。

映画の主題歌作品に焦点を当ててみましたが、シャーリー名義のオリジナル・アルバムでは、デビュー作、『サムシング』と、その続編とも言える『サムシング・エルス』他、歴史的名盤を数多く残しています。