ラ･サーフ･アクロス･ザ･ボーダー･ストリーズ

Ra−サーフ・アクロス・ザ・ボーダー・ストーリーズは、Ra−シリーズとして88年のワールドチャンピオンのバートン・リンチとプロサーファー、スチュワート・ベッドフォード・ブラウンの企画によってスタートしている。エクゼクティブ・プロデューサーでもあるバートン・リンチが、13年間のトップサーファーとして培った経験を注ぎ込んだのが、劇場版Ra　サーフ・アクロス・ザ・ボーダー・ストーリーズである。この作品を通して、彼が伝えたかったのは、自然をリスペクトし、共存しながらの全てのボードスポーツの素晴らしさではないだろうか。この作品は、日本では馴染みのないオーストラリアのアップカマー達のホットなライディングから始まる。まだあどけなさが残る彼らは今後間違いなくWQSから勝ち上がりWCTのスターになるのは時間の問題だろう。サンシャイン・ツアーという名の体験ツアー。身体に何らかの障害を持った人達とサーフィンを通して知り合う。脳性マヒ、片手足を切断、自立歩行不能、下半身切断という人達が果敢にサーフィンにチャレンジする。7度の世界チャンピオン、ケリー・スレーターの企画する大会。2ラウンド制のタイムトライアルや2人で同時に同じ波に乗るシェアリングサーフィン。その目的は、収益をフィジーの人達にチャリティして、サーフィンのルーツとプロの活動を知ってもらう事だった。ボードの種類は違っても根底に流れる意味は同じである。それは、ボディーボードの世界チャンピオン、ダミアン・キングや、ウッド・ボードを軽やかに操るトム・ウェグナー、ロングボードの世界チャンピオンのボゥ・ヤングが教えてくれる。世界で3本の指に数えられるタヒチのチョープー。この作品のラストを飾るにふさわしい危険でスリリングなシーンの連続に思わず息を呑み、自分が当事者でない事に安堵するに違いないだろう。この作品の素晴らしさは各シーンに使用される音楽にもある。オフ・スプリングのシーンにはサニー・ガルシア、ジョニー・ボーイ・ゴメスらが登場し、彼らをさておいて、ミュージシャンのヌードルスがベルジーランドのチューブを決めてしまうのだ。また、ミュージシャンとして世界的な知名度のドノヴァン・フランケンレイターは明日より今を楽しみたいと笑顔で波に乗る彼はピュアなサーファーとしての姿も見せている。

ボードと自然を愛するすべての人たちへ送るストーリー。ドノヴァン・フランケンレイター、オフスプリングなどのサーフ・ミュージック満載による、サーフィン映画の決定版だ。(CDジャーナル　データベースより)