グレーアム・グリーン

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ブライトン・ロック ハヤカワepi文庫

グレーアム・グリーン

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784151200328
ISBN 10 : 4151200320
フォーマット
出版社
発行年月
2006年06月
日本
追加情報
:
16cm,495p

内容詳細

海辺の行楽地ブライトンに巣喰う十七歳の不良少年ピンキー。つねに硫酸と剃刀を持ち歩き、どんな暴力をも厭わない少年はまさしく悪の化身だった。彼はある時、仲間とともに殺人を犯す。完璧なアリバイを偽装したつもりだったが、ある純朴なウェートレスだけが少年たちの怪しい行動を目撃していた。口を封じるため、ピンキーは同い年の彼女に近づくが…名訳で贈る、善と悪、永遠とは何かを問うグリーン初期の代表的長篇。

【著者紹介】
グレアム・グリーン : イギリスを代表する作家であるとともに、20世紀のもっとも偉大な作家のひとり。1904年10月2日、ロンドン北西のバーカムステッド生まれ。オックスフォード大学卒業後、1926年から『ザ・タイムズ』に勤務。1929年に『内なる私』で文学界に登場した後、『ザ・タイムズ』を退社して作家活動に入る。第二次大戦中は情報活動に従事していた。『ブライトン・ロック』(1938)と『権力と栄光』(1940)で作家としての地位を確立し、『事件の核心』(1948)、『情事の終り』(1951)で世界的な名声を得た。自らの作品を「ノヴェル」と「エンターテインメント」に分類したことでも知られる。1991年4月3日死去

丸谷才一 : 1925年生、東京大学文学部英文学科卒。作家・英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    主人公のピンキーは、ブライトンの街の悪党なのだけれど、童貞でカトリック。もうミサにはずっと行ってはいないけれど、それでもどこかで神様の存在を信じてる。なんたってまだ17歳。彼はいわば残忍な殺人者なのに、読み進めるほどに、いつしか不当に追い詰められる被害者であるかのような錯覚に陥る。そして、どこまでも執拗なアイダに読者もまた辟易してくる。何かと逆説的な構造を持った小説だ。ローズの告解で終わるエンディングも、多様な解釈がなされそうだ。ここでもまた逆説的で、終わりなのに終わらない物語なのである。

  • 遥かなる想い さん

    当初「不良少年」という題で出版された この本は暗黒街に生きる人々を描く。 〈少年〉の冷静さが秀逸で、物語に 独特の緊張感を与えている.. 若さゆえの社会への反抗感のようなもの、 理不尽な怒りが冷静に描かれる.. ローズという少女の発想は若さゆえの ものなのか、そしてピンキーはどこに向かうのか ..暴走する若さを淡々と描く グリーン1938年の本である。

  • ケイ さん

    冴えた始まり方だ。男の不安に最初から付き合っているから、こちらも注視しているのに、気付くとやられていた。あっ気にとられる。犯人も追い詰める人も最初からわかっているから、2人の取る行動の一つ一つにハラハラしたり、イライラしたり…。これは、ミステリの形態を取った心理小説だろう。訳は丸谷才一氏なので読みやすく、あまり読者を選ばないタイプの作品ではないだろうか。悪は自ら露呈していく。『少年』と繰り返す書き方で、作者が言わんとすること、それをもっと読み取りたいとおもった。

  • 神太郎 さん

    久々のグレアム・グリーン。今回はピンキーという少年が殺人をおかしたのを隠蔽するためにあの手この手を使う。しかし、それを追い詰めるのは、飄々とした女性で……。序盤は飄々とした女性アイダが好きになれず、ピンキーサイドが面白かった。が中盤に差し掛かると正と不正を掲げるアイダの一挙手一投足と話術がピンキーらを追い詰めていく様が痛快でもあり、ピンキーの追い込まれていく様に不安が募っていく。敬虔な人ほど悪に堕ちるときは罪深いほどに堕ちていく。ピンキーもそして彼を信じた純朴な少女ローズもそうだったように。→

  • 星落秋風五丈原 さん

    【ガーディアン必読1000冊】ピンキーもローズもカソリック教徒で、ピンキーは自分の犯罪から、ローズはピンキーの犯罪を見逃してしまったことから、罪びととしての自覚がある。一方で追及する立場のアイダは神を信じていない。だから自らが罪びと二人に罰を下そうとする。だから自らが罪びと二人に罰を下そうとする。アイダが信じる「正と不正のけじめ」とピンキーとローズが信じる神への罪の意識とはずっと交わらないままだ。そして本書では、前者があたかも悔い改める後者を追い詰めていく悪のように描かれる。

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