キャサリン・マンスフィールド

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マンスフィールド短編集 新潮文庫 56刷改版

キャサリン・マンスフィールド

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784102048016
ISBN 10 : 4102048014
フォーマット
出版社
発行年月
2008年06月
日本
追加情報
:
16cm,388p

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読書メーターレビュー

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  • rico さん

    小川洋子さんのラジオ番組をきっかけに手にとりました。20世紀初頭、中産階級の人々のくらしと心情を詩情豊かに綴る15の短編。淡々と過ぎる日常に輝きや翳りをもたらすさまざなまなできごとをとらえた、セピア色の写真集をめくっていくよう。園遊会と死の対比が少女にもたらした目覚め、父を亡くした老姉妹の戸惑いと解放の予感、帰還した妻を迎える夫が抱く違和感。例外はありますが、総じて静かで何かの終わりの空気を感じるのは、作者が病と戦っていたせいでしょうか。個人的には、子供たちの描写が印象的な「湾の1日」が好きです。

  • U さん

    園遊会:ローラの母による「お裾分け」は、不要な行いだと思ったけれど、それによってローラが得難い体験ができたからよかったと思う。少女ローラのような考え方をする大人もいるけれど、支配や干渉というのは一番避けるべき行為で、思いやりや感情移入が、大きなお世話になることもある。他人を変えようとしたり、何かを期待するのではなく、起こることは必然であって、対するおもいも人の数だけちがうことを受け入れるのが自然なあり方だと思う。

  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    万事は儘ならず、ちょっぴりの希望と有り余る諦観を抱えてそれでも生きていく人生が詰まった短編集。岩波文庫での既読作品もあり。「パーカーおばあさんの人生」はイーユン・リーの「リンおばさん」ぽい苦みとえぐみに言葉がない。「大佐の娘」は威圧的すぎる親がいなくなった後は開放感ではなく、今迄、抱えていた故人への不満や苛立ちを話しつつも何を基準にすればいいかわからない寄る辺の無さしかないというのがリアル。そして「小間使」や「鳩氏と鳩夫人」は人生の不穏さや客体のミスリードをミステリー的書き方で表現しているのが興味深い。

  • 長谷川透 さん

    『園遊会』が圧倒的な存在感を放つ。何とも楽しい響きを持つ園遊会。皆、心を躍らせて園遊会の当日を迎えるがローラだけはどこか冷めた目で園遊会の準備をする。彼女は華やかな世界と暗く絶望した世界を繋ぐパイプのような存在だ。この短篇集の終盤、彼女は園遊会の舞台から死んだ男(とその家族)の家に足を運ぶ。今までの冷静沈着な視線が徐々に崩壊していく様の書き方は見事であり、取り留めのない感情がローラの中から溢れて行く。マンスフィールドは小さな界隈の出来事を書きながら最後には人生という壮大なドラマを読者は目にするだろう。

  • くさてる さん

    やはり「園遊会」は素晴らしい。けれど、それ以外の作品もそれぞれ、人間のと思わぬ心の動きと行動がもたらす悲喜劇を丁寧に描いて、すごく良い。でも、人生が往々にしてそうであるように、その味が苦いものもある。わたしは本当に「ブリル女史」が哀しくて辛い。その悲しさ辛さこそ、時代と国境に関係なく、いまこの世にあり得るものだといえばそうなのだけど。そういうものを描けるのが文学だと思います。

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