充たされざる者 ハヤカワepi文庫

カズオ・イシグロ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784151200410
ISBN 10 : 415120041X
フォーマット
出版社
発行年月
2007年05月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
16cm,948p

商品説明

地方都市に招かれた世界的音楽家が経験するカフカ的不条理。

世界的ピアニストのライダーは、あるヨーロッパの町に降り立った。「木曜の夕べ」という催しで演奏する予定のようだが、日程や演目さえ彼には定かでない。ただ、演奏会は町の「危機」を乗り越えるための最後の望みのようで、一部市民の期待は限りなく高い。ライダーはそれとなく詳細を探るが、奇妙な相談をもちかける市民たちが次々と邪魔に入り……。実験的手法を駆使し、悪夢のような不条理を紡ぐブッカー賞作家の異色作。

内容詳細

世界的ピアニストのライダーは、あるヨーロッパの町に降り立った。「木曜の夕べ」という催しで演奏する予定のようだが、日程や演目さえ彼には定かでない。ただ、演奏会は町の「危機」を乗り越えるための最後の望みのようで、一部市民の期待は限りなく高い。ライダーはそれとなく詳細を探るが、奇妙な相談をもちかける市民たちが次々と邪魔に入り…。実験的手法を駆使し、悪夢のような不条理を紡ぐブッカー賞作家の問題作。

【著者紹介】
カズオ・イシグロ : 1954年11月8日長崎生まれ。1960年、5歳のとき、家族と共に渡英。以降、日本とイギリスのふたつの文化を背景にして育つ。ケント大学で英文学を、イースト・アングリア大学大学院で創作を学ぶ。1982年の長篇デビュー作『遠い山なみの光』で王立文学協会賞を、1986年に発表した『浮世の画家』でウィットブレッド賞を受賞。1989年には長篇第3作の『日の名残り』でブッカー賞を受賞した。1995年の第4作『充たされざる者』、2000年の第5作『わたしたちが孤児だったころ』の後、5年ぶりに発表した最新長篇『わたしを離さないで』は世界的ベストセラーとなっている

古賀林幸 : 津田塾大学英文科卒、ボストン大学大学院修士課程修了、英米文学翻訳家、恵泉女学園大学特任教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 遥かなる想い さん

    中欧のある町を舞台にした 不可思議な物語である。過去の人物が 現在に登場し、端正に話しかける。世界的なピアニスト ライダーの 視点で 語られる物語は 過去と現在が交錯し、独特の雰囲気を醸し出す。 胸に去来するのは、後悔なのか?懐かしさなのか? 特に盛り上がりもなく、ただ 会話が 続く… 正直 長いだけで、よくわからない、そんな作品だった。

  • ケイ さん

    読者に大変な忍耐力を強いる本。ある日、他の国の知らない街に招待を受けて行った有名ピアニストのライダー。ホテルに着いやいなや、ホテルのボーイや支配人を始め、大変に丁寧でありながら、断ることを許さないような申し出を受け続け、戸惑い、フラフラになりながらも、彼は断れずに受け入れて行く。それがいつまでも続くのだ。読者は1000ページ近くもそれに付き合っていくかねばならない。醒めない夢をずっと見ているような話だと思った。「私を離さないで」のようなラストとは全く違う終わり方。

  • sin さん

    整然とした白昼夢の世界に迷いこんだかのような不確かな感触は、主人公が登場人物の視点にシフトした語りにより自他の境界が曖昧で、さながら作者の頭の中に囚われたかのようだ。そのうえ登場人物それぞれの語りは虚構と現実というより一層身近な建前と本音を表現している。そして、ただあきらかなことは…「時計がない」◆英ガーディアン紙が選ぶ「死ぬまでに読むべき」必読小説1000冊を読破しよう!http://bookmeter.com/c/334878

  • あきぽん さん

    カズオイシグロ・コンプリートプロジェクトは900頁以上もある問題作で〆。ぐるぐるまわり、あちこち脱線しながらすすむ不思議な迷宮のような物語。登場人物達はすべて家族と上手くいっていない。始めは夢オチかと思ったけれど、それはノーベル賞作家を侮り過ぎだった。イシグロ氏のライフテーマは「記憶と忘却」だけど、記憶はこんな風に迷宮であり、人のメンタルは記憶で出来ている。そして今生きていることも迷宮を探るようなものだ。しかし何があっても、この本のラストのように美味しい食事と話し相手がいたら人生は上々!なのだ。

  • 優希 さん

    白昼夢を見ているような感覚に陥ります。「木曜の夕べ」で演奏することになっていたピアニスト・ライダー。しかし、イベント全てが不明というのが謎めいていて、どんどん時空が歪んでいるように思えました。物事は近づいては遠のき、手から滑り落ちる感覚は、自分の足で立っている場所が不安定に移り変わるようで、ライダー自身が主人公のはずが傍観者へと変化している不条理の感覚です。現実が溶ける感じと言えば良いでしょう。日常を保つことでもあり、誰もが充たされざる者になっていくことなのですね。

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