エルンスト・ハルトヴィヒ・カントロヴィチ

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王の二つの身体 下 ちくま学芸文庫

エルンスト・ハルトヴィヒ・カントロヴィチ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784480087652
ISBN 10 : 4480087656
フォーマット
出版社
発行年月
2003年05月
日本
追加情報
:
15cm,599p

内容詳細

有機体論が国王二体論へと移行するためには、時間観念の導入が要請される。王が団体の頭であるにせよ、団体そのものであることは含意しないし、また団体の永遠性を保証はしないからである。団体観念を時間的に構成することで初めて、連綿たる王朝が恒久的な団体として、王がその体現者、不死鳥にも似た単独法人として捉えられ、ここに、個々の王の自然的身体からは独立した、非人格的な政治的身体が秩序の基盤となる近代国家が生まれる。王権の擬制的性格を克明に跡づける著者の筆は、ダンテ『神曲』の分析に至って、処女作に見える理想的支配者への憧憬を漂わせながら、円環を閉じる。全二巻。

目次 : 第6章 連続性と団体(連続性/ 真理の似姿としての擬制)/ 第7章 王は死なず(王朝の連続性/ 擬制としての王冠 ほか)/ 第8章 人間を中心とする王権―ダンテ/ 第9章 エピローグ

【著者紹介】
エルンスト・ハルトヴィヒカントーロヴィチ : 1895‐1963年。ドイツに生まれ、アメリカで活動したユダヤ系歴史家。ポーゼン(現ポーランド領ポズナニ)出身。ベルリン、ミュンヒェン、ハイデルベルクに学ぶ。フランクフルト大学教授。1939年アメリカに亡命、カリフォルニア大学を経て、プリンストン大学高等研究所教授

小林公 : 1945年、横浜市生まれ。東京大学法学部卒。東京大学助手、立教大学講師・助教授を経て、現在立教大学法学部教授。法哲学・法思想史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • roughfractus02 さん

    政治的/自然的という王の身体の2属性を遡行的にキリストの受肉に見出す本書は、一方で、国家の出現をキリスト教会の衰退と王権の力の拡大の歴史に沿って捉える。その際、王の身体は頭と体に分けられ、王冠を被る頭が政治的身体を象徴し、体は集団と自然的身体を表す法人のような有機体イメージのトップダウン体制の形成を、ダンテ『神曲』と『帝政論』から詳細に比較検討していく。一方、国王二体論モデルをさらに神の被造物としての天使に遡る著者は、現代メディアのモデルである天使のメッセンジャー的役割が担う二重の特性も垣間見せてくれる。

  • my さん

    ゼミで。ダンテ『神曲』の政治的主張を『帝政論』と照らし合わせながら読む好機を得られて嬉しかった

  • manmachine さん

    「自然的身体」から「政治的身体」への変換に際しては、「時間」概念の挿入がポイントである、と。

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