モーツァルトとナチス 第三帝国による芸術の歪曲

エリック・リーヴィー

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784560082607
ISBN 10 : 456008260X
フォーマット
出版社
発行年月
2012年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
20

内容詳細

ナショナリズムと一見無縁なモーツァルトのイメージや作品を、ナチスはいかに政治的に利用していったか。文化の歪曲の実態とユダヤ系音楽家・学者たちの苦闘を、オーストリア併合以前から戦後の軋轢まで、膨大な資料から検証する。

目次 : 第1章 プロローグ―一九三一年モーツァルト・イヤー/ 第2章 ドイツ人モーツァルト/ 第3章 モーツァルトとフリーメイソン―ナチスに不都合な問題/ 第4章 モーツァルトをアーリア化する/ 第5章 モーツァルト・ディアスポラ/ 第6章 「真に人道主義的な音楽」―亡命者たちのモーツァルト/ 第7章 モーツァルト上演とプロパガンダ―オーストリア併合から大戦終結まで/ 第8章 ドイツ帝国主義に利用されるモーツァルト/ 第9章 エピローグ―ナチスの遺産/ 付録1 一九四一年十一月二十八日、帝国指導者バルドゥール・フォン・シーラッハによる第三帝国ウィーン・モーツァルト週間開幕コンサートでの歓迎演説/ 付録2 一九四一年十二月四日、ウィーン国立歌劇場における、帝国大臣ヨーゼフ・ゲッベルス博士によるヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト没後百五十年記念演説

【著者紹介】
エリック・リーヴィー : ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校音楽学科准教授。ケンブリッジ大学、ヨーク大学、ベルリン音楽大学(現在のベルリン芸術大学)で音楽を学ぶ。専門は20世紀ドイツ音楽。また、オールドバラ音楽祭やBBCの録音で伴奏者を務めるかたわら、『BBCミュージック・マガジン』でCDレビューも担当している

高橋宣也 : 慶應義塾大学文学部准教授(近代イギリス文学)。慶應義塾大学大学院博士課程修了。1999〜2001年ロンドン大学訪問研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • Miyoshi Hirotaka さん

    モーツアルトは語学の天才でもあったので、歴訪先の王侯貴族や富豪の求めに応じて各国語で作曲した。中にはユダヤ人のスポンサーもいた。ナチスが政権を取ってから、ドイツ語化が行われ、ヘブライ的要素を排除し、プロパガンダに利用された。チェコのように反発する国もあれば、フランスのように気にしない国もあった。ドイツ国内でも、イタリア語で演じる作品をドイツ語に訳すかどうかで論争が起きた。戦後、これらは元に戻るが、モーツアルトがヨーロッパを故郷とするのか、ドイツ語圏を故郷とするのか、天才作曲家の帰属をめぐり論争が絶えない。

  • みつ さん

    「ナチスはワーグナーの音楽の世界観を政治的に利用した」「モーツァルトのコスモポリタン的な音楽・生涯はワーグナーのそれとは対蹠的」「したがって、ナチスがモーツァルトを政治に利用することはあり得ない」・・と粗雑な三段論法(?)により漠然と抱いていた先入観を打ち砕く一冊。考えてみればワーグナー心酔者よりもモーツァルトの音楽を(程度の差こそあれ)好む人は、(ドイツ人であってもおそらくは)はるかに多そうだから、彼の音楽をプロパガンダに用いないはずはない、と読みながらようやく気付く。近隣国の併合・占領と時を合わせ➡️

  • うえ さん

    「戦後のモーツァルト受容で最も顕著な変化は、彼をドイツ人として描くことから、オーストリアとだけ結びついた人物とするようになったことである。1945年以降、作曲家と国家とのこの共生関係はあらゆるレヴェルで操られてきて、特にオーストリアの経済と観光のてこ入れ手段となった。…実際の話、オーストリア人はモーツァルトを自らのものとして囲い込んでおきたい思いが強いあまり、03年にドイツのテレビ局ZDFが史上最も偉大なドイツ人というコンテスト候補の一人にモーツァルトを挙げると、駐独オーストリア大使…は激しく抗議した」

  • メルセ・ひすい さん

    天与の才に溢れたザルツブルクの子、自由思想論者、その創造物は余人の及ばぬ高みにあって汚れなく、明朗で輝かしい天衣無縫の楽曲を残し神にも人にも愛された。ヒトラーは彼を己の信条に当てはまる天才音楽家として取り込みたかった。だが、モーツアルトはオーストリアのザルツブルク出、ナチスの嫌う天敵フリーメイソン!ユダヤだ。…ナショナリズムと一見無縁なモーツァルトのイメージや作品を、ナチスはいかに政治的に利用したか。文化の歪曲の実態とユダヤ系音楽家・学者たちの苦闘を、オーストリア併合以前から戦後まで、膨大な資料から編集

  • takao さん

    ・モーツァルト没後150年記念等

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エリック・リーヴィー

ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校音楽学科准教授。ケンブリッジ大学、ヨーク大学、ベルリン音楽大学(現在のベルリン芸術大学)で音楽を学ぶ。専門は20世紀ドイツ音楽。また、オールドバラ音楽祭やBBCの録音で伴奏者を務めるかたわら、『BBCミュージック・マガジン』でCDレビューも担当している

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