ムーレ神父のあやまち ゾラ・セレクション

エミール・ゾラ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784894343375
ISBN 10 : 4894343371
フォーマット
出版社
発行年月
2003年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
20cm,490p

内容詳細

“現代社会”を描いた最初の作家ゾラの本格的著作集。本巻には、ゾラの神秘的・幻想的な自然賛美の異色作である「ムーレ神父のあやまち」を収録。ゾラ没後100年を機に「幻の楽園」の神秘のベールをはがす1冊。

【著者紹介】
エミール・ゾラ : 1840年、パリに生まれる。フランスの作家・批評家。22歳ごろから小説や評論を書き始め、美術批評の筆も執り、マネを擁護した。1862年、アシェット書店広報部に就職するが、1866年に退職。1864年に短編集『ニノンヘのコント』を出版、1865年に処女長編『クロードの告白』を出版。また自然主義文学の総帥として論陣を張り、『実験小説論』(1880年)を書いた。1891年には文芸家協会会長に選出される。1897年暮れからドレフュス事件においてドレフュスを擁護、1898年1月、「私は告発する!」という公開状を発表。そのため起訴され、同年7月イギリスに亡命。翌年6月に帰国、空想社会主義的な『豊穣』『労働』などを書いたが、1902年9月29日、ガス中毒により急死

清水正和 : 1927年生まれ。京都大学仏文科卒。専門は、フランス19世紀文学と関連芸術。2002年歿

倉智恒夫 : 1936年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。現在、川村学園女子大学人間文化学部教授、千葉大学名誉教授。専門は、比較文学、フランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • NAO さん

    ゾラには珍しい幻想的な話。パラドゥーはパラダイスであり、セルジュとアルビーヌはそこに住むアダムとイヴだ。アルビーヌは純潔な乙女を象徴するアルビノ(白)だが、信仰に生きようとするセルジュを誘惑する女でもある。愛よりも信仰を取ったムーレ神父はアルビーヌを不幸にしたが、ムーレ神父の信仰そのものが最初から冒涜的なところもあり、だからこそパラドゥーという場所そのものがセルジュ・ムーレの頭の中の夢想でしかなかったような気もしてくるという、なんとも不思議な話。自然主義者のゾラがこんな幻想的で官能的な話を書いていたとは。

  • 兎乃 さん

    L地点からP地点へ そしてL地点に主人公が戻るシンプルな構造。叢書中の息抜きとしながらも、P地点においてゾラは植物知識に裏ずけられた豊潤な描写を披露する。これを豊潤とするか、執拗とするかは個人差だ。登場人物も少数限定で作中の役割もわかりやすい。生まれつきの病によって 狂信のムーレ家から あらかじめ開放されている主人公の妹、その無垢さに"あやまち"の答えがあるのかもしれない。叔父パスカルの名言や 信仰の対比 薄幸のアルビーヌ、今風にアレンジすればメディアミクス可能な ゾラの上質なラノべ として楽しんだ。

  • ラウリスタ〜 さん

    フランス語で。一部はミサの準備などでの長い長い教会固有名詞の羅列が辛い。聖母マリアへのあまりに激しい祈りで気を失い、原始の森に面した部屋の中で目覚める。司祭であった記憶をなくしたセルジュは、半野生児アルビーヌとエデンの園の神話を繰り返す。自然に「愛」を教わる二人。「自然」とは「サタン」の位置に位置づけられているが、それは「キリスト教化された世界において」のみ「悪」であり、「自然」の内部の論理では悪でも善でもない。第三部では、記憶を取り戻したセルジュが信仰と愛との間で揺れ動く。ラストの生と死の大団円は見事。

  • ラウリスタ〜 さん

    ゾラってこんな小説書けたんだ、と正直驚いた。はっきりと三部構成となっており、いわば幻想のなかでエデンの園での悦楽と堕落をたどり直す第2部は、ゾラと聞いてイメージするものとはだいぶ遠いように思う。ここを評価するかどうかはフロベールとモーパッサンであっても、真っ二つに分かれるそうな。生命賛歌、オフェーリア、若き神父に潜む性欲、それらを単にカトリックの旧弊さの批判に回収されるにはもったいない豊穣な作品に仕上げている。すばらしい。

  • きりぱい さん

    叢書第5巻。4巻で大変なことになっていたフランソワとマルトの次男セルジュがムーレ神父となって登場。熱病によるせん妄状態を転地療養させられたことで、敬虔でマリア信仰にだけ傾けていた情熱が、花のように香らせて介抱するアルビーヌへの愛情に取って代わる。信仰か愛情か、記憶を失ったり戻したり、どちらかというと愛情をなかったことにしたいようなセルジュが苦々し過ぎるのだけど、咲き乱れる花や育まれる樹木と生気みなぎるパラドゥーの描写には参った!脇役のアルシャンジアが、この人ほんとに修道士?というくらいどぎつい。

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人物・団体紹介

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エミール・ゾラ

1840年生まれ。フランスの小説家。自然主義を標榜する。1860年代から出版社アシェットで働きながら、文筆活動を開始。幼少期からの友人である画家ポール・セザンヌとともに、のちに印象派となるグループと交流。マネの作品に心酔し、“オランピア”が非難の的となったさいには擁護の論陣を張る。代表作に『居酒屋』

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