ウィリアム・フォークナー

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熊 他三篇 岩波文庫

ウィリアム・フォークナー

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784003232330
ISBN 10 : 400323233X
フォーマット
出版社
発行年月
2000年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
15cm,271p

内容詳細

難解といわれるフォークナーの「語り」の魅力がストレートに、のびやかに発揮されている作品4篇。傑出した狩猟物語であり、少年の精神の成長史でもある『熊』、止まらないシャックリをめぐって語られる、南西部ユーモアにみちた『熊狩』…。ここには人々を、とりわけ少年を温かく見まもる人間フォークナーの優しいまなざしがある。

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • のっち♬ さん

    『大森林』より4篇。いずれも著者が幼少期に経験した熊狩・鹿狩が題材。『熊』は狩の興奮とスリルを伝える躍動に富んだ至高の狩猟物語。命の尊厳や共生を学ぶ少年の成長も描かれ、『むかしの人々』と併せて社会通念を超越した思想のルーツが垣間見れる。『熊狩』は自身も持つしゃっくり体質をネタにしたユーモラスな悪戯噺、人種間の不条理を絡ませる点が彼らしい。『朝の追跡』では畑仕事と表裏一体としての狩であって殺生目的ではないことを強調。複雑な構造と非情な物語で知られる著者が温かな人間味とストレートかつ土臭い語りで魅了する一冊。

  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    読友さん達の感想がなかったら読まずにいただろう掘り出し物。私にとってフォークナーと言えば、硬めの文体で南部アメリカの閉鎖的な暴力性と逃れたくとも絡みつく血縁関係、嘲笑う運命が重く、伸し掛る作品を描く作者というイメージが強かった。でもこの短編はその生々しさが薄れ、自然の美しさや生命力に対する視線の瑞々しさや素直な感嘆に満ちている。だからこそ、今まで読んだ作品の中で最も読みやすい。「むかしの人々」のマキャスリンの言葉がふと、来る恥に苛まれる身としては沁みる。そして「熊狩」の最後の訳に最も共感してしまいました。

  • HANA さん

    フォークナー短編集。フォークナーというと今まで読んだ作品のイメージから因習に満ちた憂鬱な南部というイメージだったのであるが、本作は少年の成長や通過儀礼、大自然と狩りの仲間たちと極めて健康で爽やかな読後感を覚えた。むろんフォークナーらしい血と因縁も出てくるのであるが、長編みたいにネガティブな印象は受けない。作中、読み応えがあるのは表題作であるが、個人的に面白かったのは何といっても「熊狩」。フォークナーってこういう愉快な作品も残していたのね。今までと違い、自然と向き合う南部の人々が印象的な読後感であった。

  • NAO さん

    フォークナーは狩猟を愛し、また徐々に失われていくミシシッツピー・デルタの大森林に限りない愛着を持っていたという。それは、『熊』の中で、森の木々のざわめき、動物たちの声や動きを通して見事に描きあげられ、またその象徴としてのオールド・ベンの猛々しくも神々しい姿も、心に強く響いてくる。南部の森と一体化して生きるサムと、彼に導かれて大人になる少年。フォークナーが描く南部の森には、まだ神話が残されている。

  • やきいも さん

    また読み返したくなるような本だった。フォークナーというと、理解しにくい難しめの小説を書く作家というイメージがある。でもこの本は予想に反してわりと読みやすかった。少年がはじめて狩りにでて、獲物の大きな熊を探す話。ストーリーだけ見るとありふれた小説に思える。しかし、何よりも文章が素晴らしい!少年が一生懸命に獲物をさがす様子が伝わってくる、緊張感にみちあふれた文章だった。狩りを通して成長していく少年にたくましさを感じた。

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人物・団体紹介

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ウィリアム・フォークナー

1897年アメリカ合衆国ミシシッピー州生まれ。第一次大戦で英国空軍に参加し、除隊後ミシシッピー大学に入学するが退学。職業を転々とする。地方紙への寄稿から小説を書きはじめ、『響きと怒り』(一九二九年)以降、『サンクチュアリ』『八月の光』などの問題作を発表。米国を代表する作家の一人となる。50年にノーベ

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