ウィリアム・コツウィンクル

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ドクター・ラット ストレンジ・フィクション

ウィリアム・コツウィンクル

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309630038
ISBN 10 : 4309630030
フォーマット
出版社
発行年月
2011年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
304

内容詳細

地球上のあらゆる生物が反乱をおこし、実験室で飼われていた1匹の狂ったネズミだけが人間の味方になる…。すべてが動物の一人称で語られる、悪意に満ちた幻の名作。世界幻想文学大賞受賞。

【著者紹介】
ウィリアム・コッツウィンクル : 1938年、ペンシルヴェニア州スクラントンに生まれる。ニュージャージーのライダー・カレッジでジャーナリズムを学び、のちにペンシルヴェニア州立大学へ転籍。そこで文学を学びながら演劇活動に励むうちに、自分の才能は演じることよりも書くことにあると気づき、大学を中退、ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジへ転居。69年に、消防士だった祖父との思い出をもとにした児童書The Firemanを出版。以降はフルタイムの作家となり、『バドティーズ大先生のラブ・コーラス』(サンリオSF文庫)をはじめとする著作でW・P・キンセラやカート・ヴォネガットといった作家たちからも高い評価を受けるようになる

内田昌之 : 1961年生まれ。神奈川大学外国語学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • hit4papa さん

    人間を除く動物たちが、統一した意思のもと集い始める幻想小説。主役は実験動物の鼠ドクター・ラット。鼠たちが研究者らに反旗を翻えそうとする中、ひとり(一匹)人間側にたって反乱を阻止しようと奮闘します。多くの動物たちが、害意を持っていないものの、それを脅威に感じた人間たちが、徹底的な攻撃を仕掛けていく、という展開です。人間が根源に持つ排他的な感情を寓話的に著しているのでしょう。ラストは、狂言回しとしてのドクター・ラットを通し、終末の世界を予見させます。動物に対する惨虐でグロテスクな描写には注意されたし。

  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    『E.T.』のノベライズで有名になった著者が贈る、人間賛美で憎悪を謳った寓話。動物たちが突如、自己意思を持ち、「自分たちは一つになるべきだ」という意思で集結していた。多くの実験によって頭、体中を弄りまわされ、睾丸も甲状線も摘出された結果、人間愛へ狂ってしまったドクター・ラット以外は。高校の生物の教科書では甲状腺を摘出したラットの体の状態をサラッと記述している現実に動物実験や卵が産めなくなったら食肉にされる鶏の描写が重く、伸し掛る。そしてタナトスによって一つになった動物達。人類は誰を実験体にすればいいの?

  • 長谷川透 さん

    実験動物として、屠殺される家畜として、見世物として、人間の都合のいいように彼らはこの不条理な世界に誕生する。執拗に繰り返される彼らの嘆きは長くは続かず、たった一つの断章でしか語ることができない命も多々ある。動物の視点から見れば、どのような大義名分を掲げようが、動物の利用は狂気であり、その集合体が「ドクター・ラット」というマッド・アニマル・サイエンティストである。動物たちが企て、彼らの声に導かれて動物たちは立ち上がる。結末をここでは明かさずにおこう。どこまでもグロテスクでブラックユーモアに満ちた小説だった。

  • Miyoshi Hirotaka さん

    怖い本だった。よっぽど途中でやめようと思ったが、読んでしまった。実験動物、人間が食う動物、人間が脅かす野生動物。すべて自分に心当たりがある。ああ、彼らの視点からは我々はどう見えているかがよくわかる。しばらくは、薬や肉を見るたびに思い出しそうだ。

  • うめ さん

    分かり切った事実を確認する為だけに消費される命、人間と動物では代謝も解剖も違うのに行われる生体実験。生きているのに生き物としては扱って貰えない一部の食肉用の生き物達。手元に置いて愛玩するのに好ましい特性を強化する交配、ペットにする為の去勢。捕らえらて閉じ込められ、遊びで狩られ、美しさゆえに殺される気高く美しい野生の生き物達。人の生活は動物の犠牲無しで成り立たないし、私には残酷だと描写されるそれら全てを否定出来ない。だけれども私たちはもっと、彼らの事を一つの命として、見るべきだし、知るべきだと思った。

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ウィリアム・コツウィンクル

多数の本をてがける第一級の風刺作家。ナショナル・マガジン・アワードのフィクション部門および世界幻想文学大賞を受賞。メイン州沖にある島に、作家である妻のエリザベス・グンディと暮らす

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