イタロ・カルヴィーノ

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冬の夜ひとりの旅人が 白水Uブックス

イタロ・カルヴィーノ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784560072073
ISBN 10 : 4560072078
フォーマット
出版社
発行年月
2016年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
360p;18

内容詳細

あなたはイタロ・カルヴィーノの新しい小説『冬の夜ひとりの旅人が』を読み始めようとしている。しかしその本は三十頁ほど進んだところで同じ文章を繰り返し始める。乱丁本だ。あなたは本屋へ行き交換を求めるが、そこで意外な事実を知らされる。あなたが読んでいたのは『冬の夜ひとりの旅人が』ではなく、まったく別の小説だったのだ…。繰り返し中断され続ける小説を追いかけて世界をめぐる“男性読者”と“女性読者”の冒険。「文学の魔術師」による究極の読書小説。

【著者紹介】
イタロ・カルヴィーノ : 1923年、キューバに生まれる。父親はイタリア人の農学者、母親は植物学者。2歳の頃、一家でイタリアのサン・レーモに移住。トリノ大学農学部に進学し、第2次世界大戦中はパルチザンに参加、戦後、その体験をもとに書き上げた長篇第一作『くもの巣の小道』(47)で、ネオレアリズモ小説の旗手として注目される。変幻自在な語りと実験的手法を駆使した作品で世界的な評価を受け、「文学の魔術師」と評される。1985年死去

脇功 : 1936年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了(イタリア文学専攻)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • NAO さん

    読み始めた話は唐突に途切れる。気になって続きを探す過程が章だてされた項で、次に見つけた話が記されているのだが、それは先に読んだのとは違う新たな話だ。章の項で読み手に語りかけているのはカルヴィーノ自身で、彼の小説を書くことへの認識と方法が記され、カルヴィーノの苦悩を感じる。完結しない10の話の、なんとも不穏で、どこか宙に浮いたような、不思議な感覚は、いかにもカルヴィーノ。

  • マエダ さん

    ”あなたはイタロカルビーの新しい小説「冬の夜ひとりの旅人が」を読み始めようとしている。さあくつろいで。精神を集中して・・・”から始まるメタフィクション小説の傑作と呼ばれている本書。最初の章の半分はこの本を読む現実の作業の準備、「あなた」への案内であり、技法としては本当に面白かった。

  • HANA さん

    我々は読者であり登場人物、物語の続きを求めて世界を駆け巡る。本を買ったら落丁続き、書店に問い合わせると別の小説である事がわかり……と作中作は断片から断片へと繋がり、我々もそれを求めて右往左往させられる。二人称で書かれた小説は数多あれど、読書という体験を通じる事によって、読者もまた登場人物であるというメタな造りに成功しているのはこの本以上のものは読んだ事がない。作中作の意味について考えると頭が混乱するから、話として素直に読むのが正解なのかな、コレ。ラストもこの主題として、申し分のない終わり方でありました。

  • いちろく さん

    紹介していただいた本。帯にも書かれている通り、中断され続ける小説を追いかけていく物語。独特な2人称小説という前知識はあったけれど、実際に手にとってページを捲ると印象が変わる。あなた、と紡がれる作品全体の虚構は、物語として提示される事よりも読まれる事を意識したメタフィクションと思え、より一層作中作の中断される10の物語へと誘われやすくなってると感じた。その事が、本を通じた著者と読者の繋がりへと意識するに至る点も興味深かった。私にとって、時間を空けて読むと感想が変わるタイプの物語。紹介感謝!

  • ぐうぐう さん

    書くという行為について書かれた小説は数多ある。作家は書く側だからだ。ところが、読むという行為について書かれた小説はほとんど存在しない。イタロ・カルヴィーノの『冬の夜ひとりの旅人が』は、そんな稀有な小説のひとつだ。しかも、そのこだわりは生半可ではない。最初の一文が「あなたはイタロ・カルヴィーノの新しい小説『冬の夜ひとりの旅人が』を読み始めようとしている」から始まるのだから、読むことを意識しないわけにはいかない。まず『冬の夜ひとりの旅人が』を読む男性読者が登場する。(つづく)

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イタロ・カルヴィーノ

1923‐85年。イタリアの作家。第二次世界大戦末期のレジスタンス体験を経て、『くもの巣の小道』でパヴェーゼに認められる。小説の他、文学・社会評論など

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