イタロ・カルヴィーノ

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“我々の祖先”まっぷたつの子爵 新訳 白水uブックス

イタロ・カルヴィーノ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784560072127
ISBN 10 : 4560072124
フォーマット
出版社
発行年月
2020年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
184p;18

内容詳細

トルコとの戦争へ出かけた若き子爵メダルドは、敵の砲弾で体をまっぷたつに引き裂かれるが、奇跡的に一命をとりとめ、右半身だけの体で領地に帰ってきた。しかしその性格は以前とは一変、人々は半分になった子爵が領内に落とす邪悪な影に怯え始める。人間存在の歴史的進化を寓話的に描いた三部作“我々の祖先”の第一作『まっぷたつの子爵』新訳に、三部作執筆の経緯を自ら明かしたエッセー(本邦初訳)を収録。

【著者紹介】
イタロ・カルヴィーノ : 1923年、キューバに生まれる。父親はイタリア人の農学者、母親は植物学者。2歳の頃、一家でイタリアのサン・レーモに移住。トリノ大学農学部に進学し、第2次世界大戦中はパルチザンに参加、戦後、その体験をもとに書き上げた長篇第一作『くもの巣の小道』(47)で、ネオレアリズモ小説の旗手として注目される。50年代には『まっぷたつの子爵』(52)、『木のぼり男爵』(57)、『不在の騎士』(59)の“我々の祖先”三部作で奇想に満ちた寓話的世界を創造。『イタリア民話集』(56)の編纂も手がける。変幻自在な語りと実験的手法を駆使した作品で世界的な評価を受け、「文学の魔術師」と評される。1985年死去

村松真理子 : 1963年東京都生まれ。イタリア文学者。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。ボローニャ大学大学院博士課程修了。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 冬佳彰 さん

    イタロ・カルヴィーノは、大昔に何か読んだ記憶があるが、例によって何だったか覚えていない。本書は大人向けの童話とでも言えるのだろうか?ちょっと血なまぐさい。トルコ人たちとの戦争で砲撃を受け、(そんなことあるはずないけど)右半身と左半身に真っ二つに分かれてしまった子爵。先に領地に戻ってきたのは、「悪」のみが宿った右半身の子爵で、凄まじい圧政を始める。そこに「善」のみの左半身の子爵が戻り、善行を為しながら領地をさまよう。(続く)

  • まこ さん

    語り手の叔父である子爵が良い面と悪い面に文字通り真っ二つになっての騒動。これがインパクトありすぎだけど、子爵や周りを見る語り手に反骨精神が時折覗かれ、彼が大人として成長していく話。悪い子爵のお陰で世間から隔離された癩病患者のコミュニティが楽しい、良い子爵の良さにも落とし穴と、語り手を取り巻く世界は一筋縄ではいかない面白さ。不完全な存在だから人の痛みがわかる人になれる。

  • Book Lover Mr.Garakuta さん

    図書館本:ゲームのネタになりそうな本だった。

  • Vincent さん

    3年ぶりの再読。砲弾でまっぷたつになった2人の子爵の姿は米大統領選挙や新型コロナウイルス蔓延による社会の分断を象徴しています。『ペストが来るぞ、飢饉になるぞ!』と叫ぶテッラルバの村の人々の姿も世界中の困窮疲弊する人々のそれと同一視できます。本書はイタリア文学の大御所による恐るべき予言の書といえるかもしれません。

  • バニラ さん

    戦争で左右まっぷたつになってしまった子爵。不完全な身体ゆえに完全な善と悪に分かれた。完全な悪はもちろん、完全な善もうまくいかない。いかに完全でも片方だけではやはり不完全なのだ。人間は善悪があって完全なのだ。

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イタロ・カルヴィーノ

1923‐85年。イタリアの作家。第二次世界大戦末期のレジスタンス体験を経て、『くもの巣の小道』でパヴェーゼに認められる。小説の他、文学・社会評論など

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