アーサー・アッシャー・ミラー

人物・団体ページへ

アーサー・ミラー 1 セールスマンの死 ハヤカワ演劇文庫

アーサー・アッシャー・ミラー

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784151400018
ISBN 10 : 415140001X
フォーマット
出版社
発行年月
2006年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
16cm,245p

内容詳細

かつて敏腕セールスマンで鳴らしたウイリー・ローマンも、得意先が引退し、成績が上がらない。帰宅して妻から聞かされるのは、家のローンに保険、車の修理費。前途洋々だった息子も定職につかずこの先どうしたものか。夢に破れて、すべてに行き詰まった男が選んだ道とは…家族・仕事・老いなど現代人が直面する問題に斬新な手法で鋭く迫り、アメリカ演劇に新たな時代を確立、不動の地位を築いたピュリッツァー賞受賞作。

【著者紹介】
アーサー・ミラー : 1915年、ニューヨークのユダヤ系の家庭に生まれる。ミシガン大学で演劇を学び、在学中からラジオ・ドラマの脚本を執筆。1944年「幸運な男」でブロードウェイ・デビュー。1947年「みんな我が子」で注目を集める。「セールスマンの死」(1949)は、エリア・カザン演出で、トニー賞、ピュリッツァー賞を受賞。映画化された作品も多い。『荒馬と女』など映画脚本、小説や評論と幅広く活躍した。1965〜69年、国際ペンクラブ会長を務めた。私生活では、女優マリリン・モンローと結婚していたことでも知られる。2005年2月没

倉橋健 : 1919年生。早稲田大学文学部英文科卒、早稲田大学教授、演劇博物館館長を歴任、2000年5月没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • ヴェネツィア さん

    若い読者には想像力で補ってもらう以外にはないのだが、40代以上の読者は身につまされて涙なしには読めないのではないだろうか。ここではアメリカの小市民社会の夢と希望が無残にも打ち砕かれていく様が、如実に描かれる。1949年の初演だから、時あたかもマッカーシズムの嵐が吹き荒れた頃だ。劇は反資本主義を掲げるものではないが、その行き着く終焉をこの家族の崩壊とともに見据えている。彼らにとって栄光は常に過去にしかない。この先には「貧困大国」しかないのだ。息もつかせない展開でその崩壊に向かっていく劇のパワーは圧倒的だ。

  • harass さん

    いまさら文庫で出てたことを知り読む。米資本主義社会を舞台に描いているがどの時代社会でも普遍の部分があり身につまされる。特にあるていどの年齢を過ぎたものにはああと声をあげてしまうだろう。家族の関係もテーマのひとつであり、因果話の印象もある。1949年初演でこんな話を書いていてはアカ扱いされるのもやむなし。ウィリアムズの戯曲もそうだが舞台の指示が細かくそういうものも考えてあるのだなあと、不慣れな戯曲というジャンルの名作を読みたくなった。演劇を見るのが一番だが二回映画化されているようで改めて見直してみたい。

  • Miyoshi Hirotaka さん

    自立しない子供達とままならない現実の板挟みで疲れ果てた年老いたセールスマンが、何もかもから見放されて死を選ぶ。いたるところに映画のフラッシュバックのような手法が取り入れられ立体的。一流のセールスマンだった自分やフットボールのエースだった長男は過去の夢。販売不振になればあっさり解雇され、数学の単位を落として落第し、その後は転落の道を歩んだ。一方、隣人は金持ちになり、その息子は弁護士。人生の明暗が別れた。死亡保険金で家のローンが完済されたが、楽しかった家庭はもう戻らない。最後まで一つもいいことが起きない物語。

  • NAO さん

    再読。大学1年の時の基礎英語で原文で読んだ。成功者を夢見、夢は破れたというのに現実を見つめられなくなってしまったセールスマンの悲劇。平凡な人間の平凡な生活とその破綻を、ここまで残酷に描く手腕はすごいと思う。身分不相応な夢は身を滅ぼす。もうすでに、アメリカンドリームの時代は終わってしまっているのだから。子どもにかけた過度な期待が子を滅ぼすという点でも、身につまされる話だった。

  • 松本直哉 さん

    劇の終わり近く、すでに自らの死を目前に覚悟しているのに、家の前の小さな庭に野菜の種を蒔く主人公の行為は、死後に遺すのが保険金だけでは自分を納得させられなかったからかもしれない。金儲けに生涯をささげ、その価値観を疑いもしなかった男が死を間近にして、金銭ではなく土に根差したものこそが人を生かすことに気がついたといえるだろうか。家族の意見にいっさい耳を貸さず、自分の価値観を押し付けるばかりだった彼の、それは最初にして最後の、家族への温かさであったようにも思われる。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品