筆者が、娘として父親の在宅介護の経験を描いたノンフィクションだ。妻に先立たれ、兄妹や友人も見送ってきた父。寂しさに耐え、病気への弱音もはかず、飄々と振舞い、最期まてまで家で暮らすことを希望する父の姿に、あらためて尊敬の念をいだく娘。高齢者の医療と介護のあり方を問いながら、娘も覚悟を決めて、家での生活を支え続けた。子供と孫に見守られて迎えた最期の時間には、温かい思いが溢れていて、最高に幸せな人生の締めくくりをみせていただいた。