人生をいじくり回してはいけない ちくま文庫

水木しげる

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784480432490
ISBN 10 : 4480432493
フォーマット
出版社
発行年月
2015年02月
日本
追加情報
:
240p;15

内容詳細

水木サンが見たこの世の地獄と天国。人生、自然の流れに身を委ね、のんびり暮らそうというエッセイ。帯文=外山滋比古、中川翔子。解説=大泉実成。

【著者紹介】
水木しげる : 1922年生まれ。鳥取県境港市出身。漫画家であり、妖怪研究家でもある。太平洋戦争時ラバウルで爆撃を受け、左腕を失う。戦後、魚屋、輪タク屋、アパート経営などを経て紙芝居を書き始め、のちに貸本漫画家に転じる。1965年『テレビくん』で講談社児童まんが賞を受賞。2010年文化功労者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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水木先生の人生に関するエッセイを集めた一...

投稿日:2018/05/13 (日)

水木先生の人生に関するエッセイを集めた一冊です。 遅刻の常習犯でガキ大将、近所のおばあさんの 妖怪話に胸を躍らせた少年時代、 激戦地での部隊の全滅、左腕を失いマラリアに 感染、死と隣り合わせの戦地で原住民と交流した 兵士時代、 紙芝居〜貸本漫画〜雑誌連載と貧乏神に憑かれながら 必死に働いた漫画家時代、 ノンビリとした晩年の生活などが語られています。 「人生をいじくり回してはいけない」という題名に 惹かれ、何か生きる上でのヒントが得られないかと 初めて先生のエッセイを読みました。 どんなに叱られ殴られようと、時代が環境がどうであれ、 我が道を行く先生の生き方が痛快、「99%のニンゲンは 無能」、戦中の「日本国民の九割は馬鹿」など現在なら 大炎上必至のセリフでバッサリ! 特に美化されがちな戦争の体験談を正直に語った内容は、 当時を知らない私としては衝撃的、中には胸が悪くなる ような話もありますが、日本人として考えさせられる 貴重な体験談でした。 ただ内容は時系列ではなく同じ話が重複、お歳の せいかな?と思ったら、著者の人生に関するエッセイや インタビューを集め一冊にした内容だと最後の記載で 判明、その点は商品内容でしっかりと説明して 欲しかったです。 生きる・死ぬってなんなのか?幸せってどういう 事だろう? 他人の常識や価値観に阿らずどこまでも 正直な水木先生ならではの人生観とユーモアが満載! 押しつけがましくなく自然体で大らかな内容なので、 人生が窮屈に感じた時、読んでみると良いと思います。 ※特に気に入った箇所を一部抜粋して紹介します。 「…好きなことに情熱を注いで、人生を生き切ること。 うまくいく時もあれば、うまくいかない時もある。 そんな時に、あたふたと騒がないほうがいい。 幸福だの不幸だのといちいち口に出さないほうがいい。 人生にはいろんなことが起こって当たり前。 それらに一喜一憂するのではなく、放っておくことです。 人生をへたにいじくり回したところで、何の解決にも なりません。 起こってしまった不幸は、もうどうしようもない。 ならば自然の流れに身を委ねてしまったほうがいい。 しょせん人間の力ではどうしようもないことも あるものです。 ラバウルの人たちは、実にわかりやすい人生を送っています。 神様から与えられた人生を決していじくり回したりしません。 だからこそ、幸せの空気に包まれているのでしょう。」

赤運太郎 さん | 北海道 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • kinkin さん

    戦時中に現地の住民との交流や思い出が多く描かれていた。その時水木さんの感じた「彼らは生きるためにちょっと働いているという感じ、逆に日本人はややもすると働くために生きているのではないか」という話が印象に残った。戦争という理不尽さは水木さんの本でたくさん描かれているがそれでも描ききれないことは山ほどあったと思う。豊かな暮らしや物に囲まれた暮らしをするために、それぞれの人生でもっと大切な時間、例えば好きなことを犠牲にした生き方こそタイトルの「人生をいじくり回してはいけない」が意味しているのだと感じた。

  • Shoji さん

    人生を積み重ねてきた人の言葉には含蓄があります。この本には、死地を通り抜けて来た水木しげるさんの価値観が書かれています。さぞかし厳しい道のりだった筈なのに、その価値観の押し付けは全くありません。ユーモラスです。おおらかな気持ちになりました。人生をいじくり回してはいけない。まさにタイトル通りだと思う。これからの人生、奇跡を信じて生きて行こうと思った。

  • 馨 さん

    好きなことを仕事にし、好きなことだけをして生きてきたとおっしゃる中に、ラバウルでの想像を絶する戦争を経験され、土人との、ふれあい等から学んだ哲学的な考え(ゲーテ)や強い芯も感じます。妖怪に対する思いも素敵!世の中に妖怪がいると思うことは悪いことじゃないし昔の人の不便な生活に対する感情が生み出したものと考えると納得です。

  • みち さん

    この本を読んで「戦争がない時代に産まれただけで幸せだ」という父の言葉を思い出した。水木さんの戦争体験は明るく書いていても、本当に悲惨な経験だったと思う。貴重な体験を読ませて頂けた。そして、妖怪がいる。と想像を豊かに膨らませられる所が素敵だなーと思いました。大人になるにつれ、想像したり、妄想したりする事が無くなってきているので、できれば、そういう楽しさを取り戻したい。

  • keroppi さん

    水木大先生の流れで、エッセイ、インタビュー集を読む。軽いながらも重い言葉の数々。ちょうど塚本晋也「野火」を見たところでもあり、戦争体験の凄まじさを感じる。水木サンの達観した人生観は、この体験無しには生まれなかったのだろう。

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人物・団体紹介

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水木しげる

本名、武良茂。1922年(大正11)生まれ。鳥取県境港市で育つ。太平洋戦争中に召集され、ラバウルで左腕を失う。復員後、さまざまな職業を経て、57年『ロケットマン』で漫画家デビュー。65年『テレビくん』により第6回講談社児童まんが賞、89年『昭和史』により第13回講談社漫画賞受賞。91年、紫綬褒章、2

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