「意識高い系」の研究 文春新書

古谷経衡

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784166611027
ISBN 10 : 416661102X
フォーマット
出版社
発行年月
2017年02月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
224p;18

内容詳細

彼らはなぜ「面倒くさい」のか? 「これは自分の物語でもある」と語る著者が、SNSに巣食う現代人を徹底解剖!

カフェでMacを広げ、自己啓発セミナーに熱心に通い、休日はバーベキューやパーティーに繰り出し、その煌びやかな姿をSNSにアップする……。そんな「意識高い系」の人々はなぜ生まれるのでしょうか。
そのキーワードは「土地」と「スクールカースト」にあります。
容姿とコミュニケーション能力で、学校内での序列が明確に決まってしまう現代社会。学生時代に「スクールカースト」最上位に位置し、承認欲求が十分に満たされた人々のことを「リア充」と呼ぶのは周知の通りです。
一方、本書は「リア充」と「意識高い系」の違いを強調します。薄暗い青春時代を過ごした人は、どんなに後の人生において恋人を作ったとて、起業したとて、「リア充」にはなれないのです!
むしろ「リア充」は生まれた土地の居心地が良いことから地元を離れず、SNSも使わない閉じた世界の中に居るため、私たちが観測できる華やかな人々は「意識高い系」かも知れません。
彼らの生態を徹底的に掘り下げることで、現代社会の抱える問題が見えてきます!

【目次】
〈目次〉
◆はじめに――意識高い系の研究「土地」「スクールカースト」「リア充」

◆第一章 リア充は意識高い系の裏側に隠れている
リア充と混同されがちな「意識高い系」/恋人の有無は関係がない/リア充は可処分所得が多い/土地に土着するリア充/土地から発生する人脈、恋人、ハレ/「スクールカースト」問題/本当のリア充はスターバックスに行かない/「意識高い系」の誕生――大学デビューと一発逆転の思想/夢見る「地方上洛組」/「リア充成り」という希望の灯/もうひとつの「意識高い系」――「在地下克上組」/社会派サークルを目指す「在地下克上組」
◇コラム「意識高い系」の見分け方1 鍋のお汁で作る雑炊/〆のラーメン

◆第二章 「意識高い系」の心理大義と欲望
大儀と欲望の不都合な相関/ハロウィンで仮装する人の本音/「高次の大義」という隠れ蓑
T「意識高い系」の映す写真 自己宣伝としての被写体/重要なのは自分
U「意識高い系」=「中途階級」の心理 他人の年収を聞く人の心理/他人の学歴を聞く人の心理/「高次の大義」で遮蔽された抽象世界/承認と欲望/欲望を隠す気持ちの悪さ
V「意識高い系」と「意識が高い人」の差 嫉妬を隠すべからず/進歩も改革もない世界「意識高い系」
◇コラム「意識高い系」の見分け方 食べ放題とバイキング/カップ麺をすする

◆第三章列伝
T青木大和、小4偽装サイト事件「挫折した意識高い系大学生」 イノセントなティーンとして/なぜメディア露出こだわったのか/SEALDsとの違い
U靖国コスプレイヤーと愛国女子愛国に仮託した承認欲 終戦の日を利用する悪質さ/無知で無邪気な「記念撮影/戦争当事者は無口である
Vノマドワーカー わたし渋谷で頑張っているんだ、の空疎 「ベースキャンプを持つ遊牧民」という矛盾/宣伝ツールとしての渋谷/なぜ東京にいるのだ
Wキラキラ女子「ばびろんまつこ」自意識の怪物 男のスペックで自分を測る/「上位20%」の美貌/セックス・アンド・ザ・シティに熱狂した「意識高い系」
◇コラム「意識高い系」の見分け方 喫茶店とカフェ・甘味とスイーツ

◆おわりに――意識高い系を超克するために/

【著者紹介】
古谷経衡 : 1982年札幌市生まれ。立命館大学文学部史学科(日本史)卒。文筆家。一般社団法人日本ペンクラブ正会員。NPO法人江東映像文化振興事業団理事長。インターネットとネット保守、若者論、社会、政治、サブカルチャーなど幅広いテーマで執筆評論活動を行う一方、TOKYO FMやRKBラジオで番組コメンテイターも担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • マエダ さん

    ”意識高い系の人々は、自意識の怪物であり、そしてコンプレックスの転写の結果生まれた一群の人々である。”読んでいて確かに笑えるところはあるが、意識低い系より何倍もマシであると感じる。

  • harass さん

    ネットで揶揄嘲笑される「意識高い系」人間たちの実例と分析。著者によるとその正反対なのがリア充である。読み出しての著者の定義に違和感を感じてしまうが、あまりおおっぴらに語られにくい、日本の社会階層の問題であると分かる。個人の能力努力とは別に親などの文化資産の蓄積のあるなしが関わっているとする。本当のリア充の人は、自己顕示欲が不要であり、過剰な自己宣伝をして空回りしているのが意識高い系であると。著者自身のルサンチマンも赤裸々に語り、ありきたりな社会評論本とは違う色合いがある読み応えのある本だった。良書。

  • おいしゃん さん

    「リア充」とは似て非なる、意識高い「系」の、定義付けを試みる本書。ツッコミどころも多いものの、その試み自体は興味深い。

  • どんぐり さん

    他人と比較したがる人間の性なのか、人は類型化してその枠にあてはめると、安心するようにできている。「リア充」とか「意識高い系」の類型化はわかるけど、それがどうしたというんだ。

  • おかむら さん

    意識高い系の人々とは、リア充に憧れる地方出身者(上京組)または高校の時にスクールカーストの上位に入れなかった人、みたいな持論を展開。研究ってほどではないかなー。著者自身のイケてなかった歴史部分は楽しいけども。これなら貫井さんの「愚行録」を読んだ方がわかりやすいし面白い。あと都会の意識高い系の話ばかりなので、田舎の意識高い系もいるのになー、とは思いました。健康とか地球とか好きなタイプの。

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