CD 輸入盤

交響曲第8番 ヨッフム指揮バンベルク交響楽団(1982年ライヴ)

ブルックナー (1824-1896)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
ALT022
組み枚数
:
2
レーベル
:
:
International
フォーマット
:
CD

商品説明

ブルックナー:交響曲第8番
オイゲン・ヨッフム指揮バンベルク交響楽団
ブルックナーのスペシャリストとして高名な大指揮者、オイゲン・ヨッフム晩年のライヴ録音のCD化。1982年9月15日、東京での公演を収録したもので、オーケストラは、ヨッフムと関係の深かったバンベルク交響楽団。その滋味豊かな音色は、ブルックナーの音楽にふさわしい性質のものと言え、アダージョなど素晴らしい聴きものとなっています。
 特筆すべきはその音質。マスターテープの状態が良好だったことに加えて、入念過ぎるほどに入念なリマスターを施したおかげで、バンベルク交響楽団の真の実力がいかに優れたものだったかよく伝えてくれるのが嬉しいところです。迫力満点のティンパニや低弦など、当日のコンサートを実際に聴いた人間をも驚かせる仕上がりで、この作品に必須の重厚な感触が実に魅力的に再現されています。

CDは国内プレスとなります。

総合評価

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この日のヨッフムはいつもと違っていた。NH...

投稿日:2017/11/29 (水)

この日のヨッフムはいつもと違っていた。NHKホールの広いステージに登場する姿からして緊迫の気配があり、楽章間の間合いには異常といえるほどの長い時間をとった。5分以上はかけたと思うが、ひたすら精神統一に努めるヨッフム、こんな姿を見るのは後にも先にもこの時だけで、おそらくこの曲に対する畏敬の念と祈りに似た心情がそうさせたのだろう。その間かたずを飲んで開始を待つ私も、期待と緊張をはらんだ無上の快さをホール全体に感じたものだ。 はじめて聴くバンベルク交響楽団の音は暖かく美しい。しかし一方で、私は長年心酔してきた朝比奈隆の演奏との違いに戸惑い、前半2つの楽章はあまりに勝手が違うので、まごつくことが多かった。朝比奈流の演奏様式ではインテンポが基本で、弱音の多くはmp、強音といえば全開のffであり、どこかに安心感があったのだが、ヨッフムが描き出すこまやかなテンポ操作と強弱は、どうも落ち着かない。音色のバランスがあまりにも違い、唐突なクレッシェンドに驚き、逆に素通りして肩透かしをくらうこともあった。 しかしアダージョの冒頭でヨッフムの凄さが分かった。この打ち震えるテーマにかけられたビブラートの、まるで心のヒダに触れるようなデリケートさ、これはただ者ではない。これを機にすっかり魂を奪われてしまった。音楽が進行するにしたがいヨッフムの棒はますます自信に満ちドライブが効き、フレーズの要所ではアクセントがつけられ、テンポ変化もピシッと決まっている。朝比奈隆の良くいえば自然体、悪くいえばいささかのっぺりした音作りとはあきらかに違っていた。一流の指揮者とはこういうものなのだろう。ホルンの内声を容赦なく強調して曲想を掘り下げるなど、いかにも雄弁である一方、オーケストラの響は沈み込むように深く、随所に寂寥感が漂う。やがてクライマックスを迎えるとシンバルの一撃によってfffは断ち切られ、ハープの断片とともに強烈な和音が私たちを震撼させる。そして曲は天上のコーダへと入っていくのだが、その直前のクラリネットの、ためらいがちにコーダへ橋渡しするテヌート、これはまた何という優しくデリケートな表現だろう。思わずヨッフムのいやブルックナーの琴線に触れるようで、胸が熱くなった。絶美のコーダについてはもはや選ぶ言葉もない。 第4楽章に入ってもヨッフムの好調さは変わらない。彼は全体にトランペットを強めに奏させるが、同時に威圧的になることをつとめて避けている。第3主題が終わったところで、待ってましたとばかりにティンパニを伴い進軍する金管楽器群、多くの指揮者が力のかぎりのフォルティシモを駆使する部分だが、ヨッフムはトランペットの音色が汚くなる寸前に抑えつつ充分な迫力を得ている。その一方、第4楽章冒頭主題が再現される部分でヨッフムは乾坤一擲、すさまじいティンパニのひと打ちをみせる。こういう《踏みはずし》は、抑制してきた部分があるからこそ効果があるのだ。これには腰が抜ける程びっくりした。 最終コーダは悠然としたテンポで厳かに開始し、トロンボーンの主題を生かしつつ見通しよく各々の主題がきこえるように楽器間のバランスを選び、楽器がわめくことを極力避けながら輝かしく盛り上げると、ついに最終和音3つを迎える。ここでヨッフムは従来のストレートな表現をガラリと変え、初めてリタルダンドを施し最終音をずっしりとテヌートして終結したのだった。 ヨッフムは数か月前、日本公演に先立ちリンツ郊外のブルックナーの聖地ザンクトフローリアン修道院で同じオーケストラとこの曲を演奏したという。その際に試みた新解釈を当公演で完成したかったのだろう。私にとっても、この一期一会ともいうべき演奏に出会えたことは終生忘れることはできない。 さて当CDにはひとつ苦言を呈しなければならない。上記トランペットが強めと書いたが、その音色はひたすら透明で、心に浸透するほどに澄み切ったものだったのだ。しかしこのCDでは硬く機械的なうるさい音色に変貌してしまっている。弦楽器もツヤに欠け豊かさにも不足するので、この驚くべき名演奏がいささか不当に評価されているのは、このCDの音質に原因があると私は思っている。手元にあるNHK-FM(生中継)からの留守録テープはとても素晴らしい音質であることを考慮すると、おそらくマスタリングに問題があるのだろう。新バージョンの登場を心から期待したい。

センメル さん | 東京都 | 不明

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 当日の演奏に接して、改めてヨッフムのブ...

投稿日:2015/03/25 (水)

 当日の演奏に接して、改めてヨッフムのブルックナーのスケールの大きと敬虔なカソリック信仰に裏打ちされた内省的な深さを実感した名演奏。バンベルク交響楽団の重厚な響きが、その後聴いたコンセルトヘボウとの第7交響曲の中欧的な穏やかな響きと好対照でした。妻のお腹にいた長女(もう今は30歳を超えました)がティンパニの連打やコントラバスの地響きに反応してよく動いたようです。

KEY さん | 神奈川県 | 不明

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ヨッフム、得意のブルックナー、晩年の渾身...

投稿日:2012/03/28 (水)

ヨッフム、得意のブルックナー、晩年の渾身の演奏なのだから、悪かろうはずがない。こうして、聴けるのは、有難い、が、バンベルグ、ツアーでお疲れか、息切れ気味でコーダの盛り上がりはいま一つ。でも、ライヴの高揚感、遊び、深い情感は充分。ライナーノーツは、人選ミス。この素晴らしい演奏、もっと褒め称えられるべき。Altus は、いいCD を出してくれます。感謝。

sunny さん | 兵庫県 | 不明

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人物・団体紹介

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ブルックナー (1824-1896)

1824年:オーストリアのアンスフェルデンでヨーゼフ・アントン・ブルックナー誕生。 1845年:聖フローリアン修道院の助教師に就任。 1856年:リンツ聖堂及び教区教会のオルガン奏者に就任。 1866年:交響曲第1番完成。 1868年:音楽大学の教授に就任。 1869年:交響曲第0番完成。 1872年:交響曲第2番完成。 1873年

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