フェルドマン:『ベケット三部作』
ペーター・ルンデル&ケルン放送交響楽団、ケルン放送合唱団
静謐さ、つぶやくような音・・・
フェルドマン・ワールドを思い切り堪能できるアルバム
ジョン・ケージやアール・ブラウンらと並ぶアメリカ現代音楽の重要な担い手であったモートン・フェルドマン。図形楽譜の発案者として、またその静謐な音楽や、演奏時間が最大で6、7時間に及ぶような長大な作品で知られています。晩年に書かれた『〜でもなく(Neither)』は彼の唯一のオペラ作品ですが、このディスクにはそのオペラ作曲に先立ち、前段階として書かれた3作品が収録されています。
『オーケストラ』『エレメンタル・プロセデュアズ』『お定まりの研究』はどれも1976年の短期間のうちに書かれた作品群。当時フェルドマンはアイルランド出身の劇作家サミュエル・ベケットの作品を用いたオペラ作品を委嘱されていました。ベケットのテキストの使用や、ソロや合唱での声の用い方など、オペラを書くにあたっての実験の場でもあったこれらの作品は『ベケット三部作』と呼ばれています。音の扱い方などに後のオペラに通じる要素を見ることができ、彼の創作の軌跡を追うことができる作品群です。
霧が立ち込めたような静寂、ぽつりぽつりとつぶやくような音数の少なさなど、フェルドマンの代名詞ともいえる空気感に溢れたこれらの曲、フェルドマン・ファンにはたまりません。現代音楽の演奏に定評があり、彼女のために多くの作品が書かれているソプラノ、バラインスキーの妖艶なヴォカリーズにも注目です。(輸入元情報)
【収録情報】
フェルドマン:
1. 『オーケストラ』〜オーケストラのための
2. 『エレメンタル・プロセデュアズ』〜ソプラノ、混声合唱とオーケストラのための
3. 『お定まりの研究』〜オーボエ、トランペット、ピアノ、ヴィオラ、チェロ、コントラバスのための
クラウディア・バラインスキー(ソプラノ:2)
ニコラウス・コック指揮、ケルン放送合唱団(2)
ケルン放送交響楽団
ペーター・ルンデル(指揮)
録音時期:2010年2月10日(1)、2013年2月5,6日(2,3)
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)