変身 新潮文庫

カフカ (作家)

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784102071014
ISBN 10 : 4102071016
フォーマット
出版社
発行年月
1987年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
16cm,137p

内容詳細

ある朝、気がかりな夢から目をさますと、自分が一匹の巨大な虫に変わっているのを発見する男グレーゴル・ザムザ。なぜ、こんな異常な事態になってしまったのか…。謎は究明されぬまま、ふだんと変わらない、ありふれた日常がすぎていく。事実のみを冷静につたえる、まるでレポートのような文体が読者に与えた衝撃は、様ざまな解釈を呼び起こした。海外文学最高傑作のひとつ。

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

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あまりにも有名な冒頭のシーンで度肝を抜か...

投稿日:2021/04/10 (土)

あまりにも有名な冒頭のシーンで度肝を抜かれ、あとは淡々と進むストーリー。これが何とも言えない無常観を醸し出し、作品を形どっています。不思議な魅力に流れるよどんだ空気感、それに読者も侵されずにはいられないのです。人生に疲れた時、ふと立ち止まって読み返したくなる本です。

アヒル交響曲 さん | 不明 | 不明

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余りにも有名なカフカの「変身」。哲学的な...

投稿日:2009/12/11 (金)

余りにも有名なカフカの「変身」。哲学的な語り口と斬新な設定に取っつき難さを感じる人も多いかと思われるが、表面をなぞるのではなく比ゆ的に内面をえぐりだすように読み進めると長年佳作とうたわれて来た理由が分かるかもしれません。

サニーデイズ さん | 千葉県 | 不明

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ご多分に漏れず、僕もこれを読んだあと数時...

投稿日:2006/03/28 (火)

ご多分に漏れず、僕もこれを読んだあと数時間ばかり沈みました(笑)。虫になる事は有り得ないですが、これを比喩として置き換えると自分の存在理由や意味について改めて考えさせられる作品のように思えてきます。深いです。しかし、人生変わるかもしれないのでご注意を…。

じぇい さん | 岡山県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェネツィア さん

    高校生の時以来の再読。カフカの小説の全体像を知らないで言うのだが、『審判』や『城』と比べると、あの何処に向かうのか分からないような不条理さと昏迷の暗さはここにはないように思われる。むしろ、どこかある種の快活さにも似た明るささえ感じられるのだ。変身譚としては、『山月記』があるし、その典拠となった唐代伝奇の『人虎伝』もそうだ。ただ、カフカにあっては何の理由もない突然の虫への変身である。主題はむしろ、変身そのものよりも、さのことによる他者との意思疎通の不可能性にこそあるように思う。怖れられ(コメントに続く)

  • ehirano1 さん

    彼是30何年ぶりの再読となりました。当時はとにかく圧倒されたことが記憶にありますが、齢を重ねた今、「グレゴール・ザムザは巨大な褐色の虫になってしまったにもかかわらず、なぜ会社に行こうとするのか?」がやけに記憶に残りました。ある意味、ザムザの社畜っぷりに思わず苦笑いでした。一方で、会社や仕事が人生への多大な影響の程度、そしてやがては訪れる定年退職後によるそれらの消失について考えさせられました。さて10年後に本書を再読すると一体どんな風に感じるか楽しみになって来ました。これだから古典は偉大です。

  • 黎明卿(禍腐渦狂紳士タッキー) さん

    大好きな作品。グレーゴル・ザムザは朝目覚めたら虫になっているいきなりの展開で、原因など一切不明。気持ち悪いと忌避する方もいますが、人間が別の存在に変わる突飛さがなんと素晴らしいことか!ただ、淡々と冷静に語られていく文章と自己分析がまたいい。でも、私が1番やるせなさを感じたのは、虫になってしまったグレーゴルを恐れ、最終的には見捨てた家族。父親から受けた致命傷となる傷、徐々に衰弱していくグレーゴル。そして、妹が兄に対して放ったあのセリフ。家族のために頑張ってきたグレーゴルの静かな最期は何度読んでも泣ける。

  • のっち♬ さん

    ある朝目覚めると巨大な虫になっていた男と家族の顛末。その謎は一切明かされることなく淡々と日常が綴られる。悲壮感よりも滑稽味を前に出した文体が著者らしい。彼の「変身」は他人と共有するにはあまりにも個人的過ぎる要素であり、周囲の「変身」ぶりは目を覆いたくなる人間の欺瞞への鋭い洞察が現れている。この関係は単なる個人間・家族間という次元に留まらず、絶えずせわしなく流動し続ける文明社会と、自身が変化していることに意識が及ばなくなった現代人に置き換えることが可能だ。実存的不安を抽出する力量は既に高い次元に達している。

  • こーた さん

    読みはじめは大笑いしていたのに、さいごは泣きながら本を閉じる。電車のなかで、自分の部屋で、読んでいる間じゅう、足元から巨大な虫が這ってくるような感覚に覆われ、全身がゾワゾワする。部屋に閉じこもった(こめられた)グレーゴルは、いつかのわたしであり、かれを見守る家族たちもまた、わたし自身なのである。過労、介護、ひきこもり。家族、責任感、未来、夢と希望、そして、諦め。あらゆる感情とあらゆるわたしに、共感しつつも、徹底的に共感できない。だって虫なんだもん。これぞシュルレアリスム。快と不快が同時に襲ってくる!

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人物・団体紹介

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カフカ (作家)

1883‐1924。小説家。オーストリア=ハンガリー帝国のプラハ(現在はチェコ)のユダヤ人の家庭に生まれる。法律を学んだのち労災保険局に勤めながら作品を執筆。著作は数編の長編小説と多数の短編、日記および恋人などに宛てた膨大な量の手紙から成る。生前に『変身』など数冊の作品が出版されたが、ごく限られた範

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