圧倒的声量を有する女性シンガー、インガ・ラムプを擁し、独国内では無敵の評価を受けていたフラムピー。彼らは70年代に3枚のスタジオ作品を残しておりまして、これは3作め「By the Way 」発表後のライブになります。曲目は3作めと2作目から。率直に申し上げて音が割れていますけれど、それがビンテージの雰囲気をまた醸し出していて、悪くありません。とにかく長いインタープレイが多く、10分、20分を超える演奏を事もなげにこなしています。さすがです。
わたしは、彼らのセカンド・アルバムの印象がとても強くて、ついついオルガン中心のハードロックだと見なしてしまっていました。このライブを聞きとおすと、彼らはもっとヨーロッパ歌謡の土壌から出ている広い音楽性をもったグループだと判ってきます。彼らは結局、英国進出に失敗して空中分解していくわけですが、逆に米国に進出していたらデラニー・アンド・ボニーみたいになった可能性もあるのじゃないかと考えてしまいました。ギター、オルガンの演奏力は圧倒的で、インガの歌唱力と合わせてとても満足感を感じます。