David Bryan | CD、DVD、ブルーレイ(BD)、ゲーム、グッズなどを取り扱う【HMV&BOOKS online】では、コンビニ受け取り送料無料!国内最大級のECサイトです!いずれも、Pontaポイント利用可能!お得なキャンペーンや限定特典アイテムも多数!支払い方法、配送方法もいろいろ選べ、非常に便利です!
全15曲のうち、12曲は1994年にリリースされたソロ・アルバム「オン・ア・フル・ムーン」(日本フォノグラムPHCR-1301)で発表されたもの。旧作全15曲のうちMIDIオーケストレーションの楽曲2曲がカットされ、この2000年作品では冒頭2曲のピアノ・ソロ曲に置き換わり、ボン・ジョヴィとしての楽曲である”In These Arms”は、ピアノ・ソロ・ヴァージョンから、ジョンとはまた一味違った魅力的な声を持つデヴィッド・ブライアンのヴォーカル入りヴァージョンに置き換わった(なお、旧作に収録された”In These Arms”のピアノ・ソロ・ヴァージョンについては、後掲誌1994年11月号に石川芳氏採譜の完全コピー譜が収録されている)。
私は旧作も愛聴しているが、この2000年作品も愛聴している。ロック・ミュージシャンらしい力強いタッチを保ちながらも、ときにロマンティックに、ときにメランコリックに、ときにハッピーに、叙情的なピアノ音楽が繰り広げられる名盤だ。
収録曲については、デヴィッド自身が「キーボード・マガジン」(日本版)
1994年11月号、1995年7月号で解説しているので、以下、一部を紹介する。
ピアノらしいフレーズを生かした”April”は、デヴィッドが妻に捧げた曲、”Kissed by an angel”は自身の子供達に捧げた曲だという。
可愛らしい”lullaby for two moon”もデヴィッドも自身の双子の子供に捧げた曲だが、この曲の基本となっているテーマ自体は、デヴィッドが13歳のときに初めて作曲した曲だという。
”Endless Horizen”はもともとは(A Dedication to Horowitz)との副題がついていて、クラシックの巨匠ウラディミール・ホロヴィッツが亡くなって間もない頃にブライアンがホロヴィッツ愛用のスタインウェイ・ピアノ(通常より鍵盤のウェイトが軽く調律されたカスタマイズ・ピアノ)をホロヴィッツのピアノ技師であるフランシス・ムーアに弾かせてもらったときの体験が強く印象に残り、ホロヴィッツに捧げる曲として、このピアニスティックな曲が作られたようだ(ただし、このアルバム自体はホロヴィッツのスタインウェイ・ピアノではなく、ヤマハのアコースティック・グランドピアノで録音されている。Midi音源との連動が可能なMIDIグランド、というタイプのグランド・ピアノらしい。)。
アルバム全体の中ではやや異色な”Room full of Blues”はニューオーリンズ・ピアノ風Bluesナンバー。リッチー・サンボラにブルースの魅力を教えられ、その結果、こうしたドクター・ジョン風のピアノ曲ができたようだ。
ゆったりした中にEdgar Winterの印象的なサックスも配した ”Netherworld Walts”は1991年の映画”Netherword”用に作られた楽曲とのことだ(サウンドトラックCDは輸入版がFull Moon 1240-2)。
なお、1995年1月20日(米国時間)に、カリフォルニア州アナハイム市で、世界的な楽器見本市であるNAMMショー’95の開催と合わせて、米国”Keyboard”誌の20周年記念コンサートが開かれているが、そこでデヴィッド・ブライアンは、約2000人の観客の前で、”In These Arms”の弾き語りを披露したという。そのコンサートには行けなかった多くの人も、おそらくは、このアルバムの”In These Arms”のヴァージョンのような弾き語りだったのだろうと想像しながら聴くのも楽しい。