エイナウディ上級者向け?内容は深いが内省的。
エイナウディのコンサートはノンストップで前半がバンドが入ってニューアルバムの楽曲、中間がエイナウディのピアノ・ソロで旧作にインプロビゼーションが混ざる。後半はオーケストラまたはバンドと新旧の楽曲というふうに進む。2014年の来日公演の前半は「In a Time Lapse」の楽曲で固められていた。
このアルバムの発売当初、このように渋い楽曲でコンサートの前半が持つのだろうか?と思った。2017年の来日公演(すみだトリフォニー・ホール)を聴いてきたが、やはりというか、前半は「Elements」と「In a Time Lapse」の楽曲のミックスで進んでいった。
エイナウディは還暦を過ぎたとはいえ元気で、後半はサラ・オレイン(ヴァイオリンでの参加)も加わってコンサートは大いに盛り上がった。
CDのレビューにならなくて申し訳ないが、エイナウディ入門にはIslands-Essential Einaudi(2枚組の方。ドラマ版ドクトル・ジバゴの名曲Love Is A MysteryとWhite Nightが2枚目に収録されている。しかも、リマスターされてOSTより音が良い)を勧めたい。気に入れば前記「In a Time Lapse」、そして本作と来ればいいと思う。
エイナウディは大人の音楽である。CM、ドラマ、OSTの曲をたくさん書いているとはいえ、オリジナル・アルバムでは一切妥協しないで過去の自分を乗り越えようとする。このアルバムもとっつきにくさはあっても、そのようなエイナウディの気概を理解して聴けば二つとない彼の世界を見ることになるだろう。
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