2 Hearts

ハワイで今、最もＡＯＲな風を届けてくれるアルバム、モーリス・ベガ「2 Hearts」がいよいよ日本盤でもリリースできることになった。1995年にレコーディングし、96年にリリースされた知る人ぞ知る１枚なのだが、このアルバムを聴いた人は誰もが一瞬にしてモーリスのメロディ＆ヴォーカルの虜になり、遂には、『好いものみつけたんだ！』と、知り合いに話したくなってしまう、そんな“引力”を兼ね備えている作品なのである。彼がオアフではなくマウイのアーティスト、ということからホノルルのＣＤショップでもなかなか目にかかれなかった１枚だが、レア盤をリリースできることよりも、とにかく彼の素晴らしさを日本に紹介できることに喜びを感じている。1990年代以降のハワイにもこんな素敵なＡＯＲアルバムが存在していたなんて、なんともハッピーな気分になれるというものだ。アルバム全編を通して、非常に心地好いＡＯＲな風が吹いているが、楽曲そのものはヴァラエティ豊かで、適度なアイランド・フィーリング、すなわち、いわゆるハワイっぽさ加減も、濃すぎず薄すぎず、の絶妙な感じを受けた。１曲目のタイトル曲は流石によく出
来た作品で、カラパナの「Blue Album」でもメンバーからのオファーによりこの曲を再演している。クールでソウルフルな、モーリスの魅力が堪能できる１曲だ。他も全曲がお薦め、と言っても決して大袈裟ではない、モーリス・ベガの
ソロ・アルバム「2 Hearts」。必聴です。日本盤のみボーナス・トラック、カーティス・メイフィールド作のソウル・クラ
シックス＜People Get Ready＞を収録。